変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

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このタイプで成功するためには、定期収入は低く抑えておき、投資した企業の株式売却などによるキャピタルゲインで、一時に大きな金額の獲得を目指します。定期収入を増やしてしまうとリスクを取りづらくなるので、あえて低めの給与しか受け取らないことも多いようです。

そのため、まず大金を得るまでのステップにおいては、生活水準があがっていたり、守るべき扶養家族がいたりする状態ではリスクがとりづらくなります。20代のうちに多めの一時金を獲得しない限りなかなか成功しづらい特徴があります。何社も起業しては売却して資産を形成するシリアルアントレプレナーが生まれやすい背景には、既にストックとしての安定性があるので、リスクをとるチャレンジがしやすくなるということもあるのです。

こちらの成功モデルの場合、起業した会社を売却することで組織に属さなくなることもあります。そのため「権力」は手に入りづらいのですが、成功した起業家としての「ステータス」とともに、自分でリスクをとることができる「自由」を手に入れます。

あなたはどれを獲得したいのか

最初に挙げた弊社のナレッジ共有の取り組みの中で、自分がキャリアのゴールに求めるものを考えたことがあるという人は少なめでした。

特にインターン生たちは、わかりやすい年収とか一時金を意識していました。

しかしキャリアのゴールは、得られる金銭の先にあります。

「権力」は歴史が示すように、多くの人が憧れ、手に入れたいと思うものです。

「ステータス」は「名誉」であり、これもまた多くの人たちが求めているものです。

そして「自由」もまたそうですが、どれを優先したいか、ということについては人によって異なっています。

自分自身が、権力のためなら自由がなくてもよい、という性向なのか、その逆に、自由を失うくらいなら権力もステータスもいらない、という性向なのか。

年収や一時金ではなく、その先に得たいものをあらためて考えてみると、意外に違うものが見えてきます。そうすれば、自分が今すべき努力の方向性もまた見えてくるでしょう。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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