変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

大変有能なゲーム開発者だったので、馬場さんが独立したと知ったとき、すぐに「投資したい」と連絡しました。すると馬場さんの方から「経営も一緒にしてもらえるなら」と言ってきたので、創業直後の09年に私が加わることになりました。本当にアパートの1室からのスタートでしたが、当時から「5年以内に時価総額1000億円」という目標を設定していました。副社長として東証1部上場を果たし、時価総額は4年で1000億円を突破、5年で4000億円に達しました。その後、専業の投資家になりました。

2015年には出資先の投資家の交流の場として「千葉道場」を主宰し、IT系中心に110人を超える起業家が集まっています。面白い起業家を見つければ、おカネも出しますし、コミュニティーを通しての知恵も出します。投資家としては起業家の意思を尊重し、自由を大切にしていますが、最終的な「大きな成功」という収益を求めます。

麻布では自由とは何かを教わりました。自由は難しい、必ず責任がある。成果を上げないといけない。麻布の生徒の場合は何でしょうか。学校側としては自由に何をしていてもいいけど、最後には東京大学に行ってねということかもしれません。私は自分の意思でSFCに行きましたが(笑)。

麻布は、戦後中高一貫体制になった1期生から東大合格者ランキングのトップテンから一度も外れたことのない唯一の学校として知られる。大学通信によると、20年までの過去5年間の東大合格者数は年平均86.8人(卒業生は年平均302.4人)で、開成高校、筑波大学付属駒場高校に次いで全国3位だった。

実際、麻布には全然勉強しないふりをして陰で必死に努力している生徒は少なくありません。ガリ勉タイプはバカにされますが、模試の成績はすごく気にしています。茶パツにし、自由な服装をして、時には授業もボイコットする。しかし、最後には目標の大学に行く、これが格好いいわけです。

私は大空を飛び回っている時間以外は、週の大半を鎌倉の自宅で過ごしています。六本木で育ちましたが、今は少し田舎がいいですね。イベントなどでたまに都内に出かけますが、ほとんどの仕事はリモートワークでこなせます。自由を是としながら、投資家として成果を出すことを日々考えています。

(代慶達也)

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