変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

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企業で働くビジネスパーソンが「活用」から「探索」を志向しようとすると、周囲の人に強い反対を受けることでしょう。たとえば本業が忙しい状況で同僚たちがみんな残業をしているのに、自分だけ定時に帰って社外の勉強会に参加するなどしたら。そのことを公言しようものなら、上司は公然と評価を引き下げるかもしれません。そうならないようにするには、本業に支障が出ない範囲で探索を続けるしかありません。結果として本業も中途半端、新しい経験を得ようとする行動も中途半端になってしまっては意味がないでしょう。そのような状態になったときに多くの人は、やはり本業をがんばるべきだろう、と探索をやめてしまいます。それは多くの企業がイノベーションのための研究開発から手を引いてしまう状態とよく似ています。

本業がはっきりしているため、そこで頑張ることが最も効果的に成果を生み出せる面が強くなります。

一方で、最近私が見ている「両利きのキャリア」で成功している人は、本業があいまいな人が多いように思います。

たとえばある人は最初に勤務した会社から転職したのち、2社目で自分の会社も立ち上げました。そしてそこで本業以外の知人たちとのネットワークを構築しながら、3社目の転職オファーを受けています。提示されている年収は大手商社の平均年収を大きく超えていますが、彼の年齢はまだ20代です。

博士課程で研究をしながら、インターンとしてアルバイトをしているある人物は、アルバイトだけで年収600万円以上を稼ぐだけでなく、研究テーマへの支援も引き出しています。

本業が明確な人はこのような選択はしづらいのですが、仮に本業があったとしてもそれに不満を持っていたとしたらどうでしょう。新しいことに取り組む、気持ち的なきっかけはすでにあるはずです。

在宅勤務で自由な時間が増えていたりするのなら、それをきっかけとして、ぜひ新しい試みにチャレンジしてみてください。それは一本のメールからでも始まることがあります。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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