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――今後、コンテンツマーケティングを展開するうえで、どのようなことがポイントとなると考えていますか。

「能動性、共感性、信頼性の3つがあると思います。まず、能動性というのは消費者が動画配信サイトや企業のオウンドメディアを自らの意思で訪れ、コンテンツに触れること。広告主が流すものが目に入ってしまう、というような受動的な態度の正反対にあるものです。我々が取り組んでいるブランデッドムービーは能動性を持った、つまり中身に興味を持って見てもらえるコンテンツだと思います。好んで広告を見ようという人は少ないでしょうが、ブランデッドムービーなら違うと思います。エンターテインメントとして見るに耐えるコンテンツでないと、能動的に見てもらうことは難しいでしょう」

共感を得られるコンテンツか

「共感性というのは、見て共感を得られるコンテンツなのか否かということです。本来なら共感を得られる広告を制作しなければならないのでしょうが、必ずしもそうではありません。テレビCMなどであれば、認知度を高めればいいとか、理解を促進すればいいとか、そういうことが目的になってしまい、共感を得られたり、ロイヤルティーを高めたりすることが難しいと思っています。一方、ブランデッドムービーという手法なら、テレビCMで表現するよりもたやすく、共感性を得られるコンテンツをつくることができると思います。もちろん5分のムービーをつくるのは30秒のCMをつくるよりもハードルは高いです。しかし、結果としては、その方が共感性を得られるコンテンツづくりとしては早道ではないかと考えています」

国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」では、「ブランデッドショート部門」を2016年の設立当初から協賛する

国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」では、「ブランデッドショート部門」を2016年の設立当初から協賛する

「信頼性ということでいえば、いろいろな情報やコンテンツが流通していますが、なかにはフェイク(偽)情報もあり、何を信用していいのかわからないという人もいます。こうしたなかで、企業が自ら発信する情報については、信頼性を担保できているのではないかと思っています。レコメンドなどは第三者の方が信頼度が高いかもしれませんが、製品やサービス自体を知ろうとするときには、多くの人が企業のカタログで仕様や性能を確認しますよね。正確な情報を伝えるという意味では、企業が自ら発信することで、信頼性を担保することができるのだと思います」

石橋昌文
1985年神戸大経卒、ネスレ日本入社。営業本部やネスレUK、ネスレスイス本社などでの勤務を経て、09年ネスレ日本常務執行役員、12年CMO、17年から現職。

(平片均也)

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