模擬国連は「知の格闘技」 人心掌握術学ぶ西大和学園
西大和学園中学・高校(中) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ
ロールプレイだからこそ本性が表れる
現在の「模擬国連」の幹部4人に話を聞いた。
――なぜ模擬国連の活動に参加しようと思ったのですか?
生徒A 自分は三重県の出身なのですが、修業に出るつもりで実家を離れて、下宿しながらこの学校に通っています。せっかくなら勉強以外にも自分がいちばん成長できることに取り組みたいと思って、普通の部活ではなく、特別活動の「SSH」か「AIP」か「模擬国連」かで迷いました。でも英語が好きだったし、社会に出てからも必要になるだろうと思ったので、模擬国連にしました。
生徒B 私は3歳から8歳までイギリスに住んでいました。中学から西大和に入学して、高校生たちの模擬国連活動に憧れて、自分も入りました。尋ねられた質問に対して堂々と素早く的確に答えるその応答の速さがカッコ良かった。
生徒C 小4の冬から4年間ロサンゼルスに住んでいて、向こうでは西大和学園カリフォルニア校に通っていました。私も「SSH」と「AIP」と「模擬国連」で迷いましたが、国際情勢に興味があったことと、議論が好きなことと、憧れの先輩がいたことが理由で、模擬国連を選びました。
生徒D 中学までインターナショナルスクールに通っていました。そこにも模擬国連に似た活動があって、参加しようか迷ったまま参加せずに後悔していたので、西大和では挑戦しようと思って入りました。
――西大和学園における「特別活動」というのはほとんど部活みたいなものなのですね。
生徒C はい。部活ではないのですが、「部長」とか「部員」とか言いますし。月・金・土の放課後に活動しています。部員は現在、高1・高2を合わせて30人くらいです。
生徒B 平日の放課後は活動時間が2時間くらいしかないので、調べ物やディベートの練習を行います。土曜日の放課後は3時間30分くらい時間があるので、模擬国連の大会に準じた方式で会議を行ったり、入ってきたばかりの高1への指導を行ったりします。
――模擬国連の醍醐味は何ですか?
生徒A 自ら会議を引っ張っていきたいひとが多いと思うのですが、やりすぎると反発を食らってうまくいきません。その分、うまく会議をリードできたときの達成感や充実感は大きいですね。模擬国連で得たスキルをほかの場面でも生かせるようになりたいと思います。