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中央が顧問の岡崎さん。部員は、左から衛藤舞さん、大中理紗子さん、小伊勢茉那さん、西村菜々さん、下野聖矢さん(全員高2)

中央が顧問の岡崎さん。部員は、左から衛藤舞さん、大中理紗子さん、小伊勢茉那さん、西村菜々さん、下野聖矢さん(全員高2)

「全員役者」かつ「全員裏方」

部員にも話を聞いた。

――なぜ演劇部に入ろうと思ったのですか?

生徒A 4月に行われる文化祭で演劇部の舞台を見て感激して、自分も入ろうと思いました。

生徒B 父が機械好きで、私も機械が好きで、演劇用の照明卓の操作に憧れて入部しました。

生徒C 小さいころからバレエをやっていたので、舞台に立つことは好きでした。受験のときに、附設の演劇部が強いことを母が教えてくれて、興味をもちました。

生徒D ももいろクローバーZが出演した「幕が上がる」という映画に附設の演劇部も登場していて、それがカッコいいと思って入りました。

生徒E 姉も附設の演劇部でした。中学まではサッカー部だったんですけど、高校生になったらなぜか僕も演劇をやりたくなって。

――附設の演劇部の自慢は?

生徒E 「全員役者」。つまり全員が舞台に立って役者をやることです。「全員役員」というのは附設の生徒会のキーワードでもあります。

生徒D 逆に全員が裏方もやります。

生徒B ひょっとしたら家族以上にいっしょにいる時間が長いので、アットホームな雰囲気なのが好きです。

――ライバル校は?

生徒E 地区大会、県大会、九州大会、そして全国大会と駒を進めていきます。九州は演劇が盛んでライバル校はたくさんありますが、県大会では南筑、九州大会では佐賀東、大分豊府、長崎県の創成館が特に強いですね。全国では青森中央が有名です。

――部としての課題は?

生徒B コロナの影響で新入部員が少ないことです。演劇部に限ったことではありませんが。

生徒E どの運動部よりも練習量が多いことで有名で、勉強との両立が難しく、せっかく入部してもやめてしまうひとが多いことも課題です。

生徒B 教育熱心なご家庭が多いですからね。テストの順位に対する執着が強い生徒は多いと思います。

生徒E 附設では、小テストも含めると毎週20回ぐらいのテストがあるので、両立は大変です。でもやっぱり、地区大会、県大会、九州大会と進むことで多くのひとに自分たちの芝居を見てもらえることの喜びは大きいです。

順位を付けるコンクールには出ない

舞台に立つ部活として、もう1つ、附設の名物といえるのが合唱部。19年の高等学校文化連盟(高文連)合唱部門県大会で最優秀賞を獲得。20年は全国大会(総合文化祭)に出場予定だったが、新型コロナウイルスの影響でネット上での動画発表となった。

合唱部顧問の兼行孝幸さんは、附設の演劇部出身。附設の文化祭で行われるクラス対抗の合唱コンクールで合唱の楽しさに目覚め、大学で本格的に合唱を始め、いまでもアカペラグループに所属し、活動を続けている。

「今年は全国大会で発表できましたが、大会とは別に自前で開催する年1回の定期演奏会をしっかりやろうというのがこの部の共通認識です。審査員の先生方だけではなく、音楽を楽しみに来てくださるお客様に対して丁寧に音を紡ぐことを意識します。そのなかで当然ながら舞台の世界の厳しさも感じます。そこから逃げず仲間と真剣に取り組むことで心も充実し、それが普段の生活にも生きてきます。附設は進学校ですから、音楽で食べていくということは想定していませんが、生徒たちの人生において何らかの形で音楽が助けになればいいなと思っています」(兼行さん)

定期演奏会、大会出場のほか、地域の演奏会に参加することもある。ただし、順位を付ける合唱連盟主催のコンクールにはあえて出場していない。審査員が何を評価するかではなく、自分たちがやろうとしたことが舞台でできたかどうかを大切にしたいと、兼行さんは考えているからだ。

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