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人間関係の問題はどこに行ってもついてくる

転職を考えるきっかけで、給与や仕事内容のミスマッチと共に多いのが、人間関係をめぐる問題。「上司とのそりが合わない」「同僚との関係で居心地がよくない」「経営者が信頼できない」など、確かにいったん人間関係がこじれると、簡単に修復することはできません。また、いくら仕事が自分に合っていても、そもそも居心地が悪くなって、出るはずの成果が出せなくなるといった事態も起こりやすくなります。

パワハラやセクハラなど、相手に起因する問題の場合は、こちらから改善しようにも、打てる手が限られ、解決の糸口が見えないこともあります。精神的にダメージがある状態を引きずりすぎて、本当にメンタルを壊してしまっては元も子もないので、どこかで見切りをつけて転職に踏み切るのは致し方ないことだと思います。

しかし、1点だけ頭においてもらいたいのは、人間関係の問題は、どんな企業に行ってもついてくるかもしれないということです。もし、同じような状況に2度、3度と陥って転職を繰り返すことになってしまうと、キャリアそのものが思い通りに形成できなくなるおそれがあります。

では、人間関係トラブルを避けるには、どうすればいいのでしょうか。自分が原因となるトラブルを避けるために、自分自身の対人コミュニケーションにおける課題や癖を把握して改善するという方法はもちろん有効です。ただ、それ以上に気を付けてほしいのは、入社する前に、組織の風土や人間関係をチェックして、少しでも不安があるのであれば、リスクがある環境に近づかないようにすることです。

もし、そこに不安があるのなら、内定が出た後に、同僚になる予定の人や、年代や属性が近い社員から、カジュアルに話を聞かせてもらう場を作ってもらうように依頼して、人事や経営者ではない立場の人にできるだけ率直に会社の内情を聞いてみるということも一つの方法です。

会社は生き物 変わるときは変わる

「入社した当時はよかったが、規模が大きくなるにつれて価値観やビジョンが変わってしまった」。転職を検討する理由として、よく聞くフレーズの一つです。人と企業の関係も、一生続くことだけが善ではありません。

会社は成長フェーズによって戦略を変える「生き物」です。戦略や方針が変われば、求められる能力やスキルも当然、変化します。また、働く側も、経験が増すとともに、価値観や視界が変わることもあります。

目指すものが一致しているときに、お互いが必要としあって、気持ちよく一緒に目標に向かっていける時期もあれば、時とともに、それぞれが目指すものが変わって、別の道を歩む日が来ることも、当たり前の出来事だと思います。

特に2020年代は、これまで以上に変化スピードが速くなる時代です。ベンチャー企業に限らず、大企業であっても、過去のやり方や価値観を踏襲するだけでは未来が見えにくくなっている状況です。働く企業も、自分自身も、どちらも常に変化していく途中であると考え、適応力を磨いていく方向を目指していただきたいと思います。

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