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日ごろの人間関係がキャリアの救世主になる

いざ転職を考え始めて、インターネットで情報収集をしていると、ビジネスとして膨大な集客予算を費やし、マーケティング機能を盛り込んでいる転職サイトや転職エージェントの情報が嫌でも目につきます。しかし、世の中で実際に転職する人の中には、転職サイトやエージェントに頼らずに、自分の知人や友人経由で、いわゆる「縁故」経由で転職をする人も多く存在しています。この縁故を大別すると、親族の経営する会社に入社するケースと、友人や前職の上司・同僚、取引先などに誘われて転職するケースが含まれます。

つまり、転職専門サービス以外に、普段の仕事、日常生活を通じてどんな人間関係を形成しておくかが、いざという時に選択肢を増やすことにつながるということです。

社内の人間関係だけではなく、顧客やパートナー、仕入れ先や外注先など、外部で接触する人も、仕事で関わる人は、いつどこで関係性が変わるかもしれない貴重な資産です。長い目で、信頼関係を構築できる人を増やしておきたいところです。

転職に「絶対」はない 悲観シナリオを楽観的に実行する

「どうすれば、失敗しない転職ができるでしょうか」という質問を受けることがあります。しかし、転職やキャリア形成に、「絶対的正解」は存在しません。

自分の仕事人生の残時間を計算して、自分は何のために働くのか、どんな目標に進んでいくのかを考え、自分自身で歩む道を「正解」にしていくしかないのが現実です。

もし、少しでもリスクを抑えたいとすれば、「もしかすると物事は自分が想定したほどうまくは進まないかもしれない」という悲観シナリオを前提に置いて、キャリアの戦略や戦術を考えることをお勧めします。悲観シナリオを前提に置いて、最悪の場合のプランBやプランCを準備しておくことで、想定外に備えることができるのに加え、備えること自体が行動の質と量を高めることにつながるメリットもあります。

今回挙げた5項目をまとめると、以下のようになります。

・募集条件に合っているから合格するわけではない
・人間関係の問題はどこに行ってもついてくる
・会社は生き物 変わるときは変わる
・日ごろの人間関係がキャリアの救世主になる
・転職に「絶対」はない 悲観シナリオを楽観的に実行する

新型コロナウイルスに限らず、ある日突然、不測の事態に襲われて、自分が主導権を取れない状態になる前に、「これから転職をするかもしれない」30代は、ぜひこれらの視点を参考に準備だけでも進めてもらえればと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

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