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書類選考を通過しやすい職務経歴書の書き方

求職者について「こうすれば選考を通過するのに」と思うポイントを挙げてもらったところ、職務経歴書に関する意見が大半を占めた。求職者にとって厳しさを増す転職市場にあって、相手(企業側)目線で自身をいかに売り込むかの重要性を指摘する声が多かった。

【自由回答】

・自身が書きたいと考える視点ではなく「ぜひ会いたい」と読み手に思わせられるような職務経歴書を作成してほしい

・自分をアピールするのが職務経歴書だが、あくまでも採用者視点で自分をアピールできるかが重要

・大方の企業に通じるような職歴書は有効ではなく、受ける企業に合わせて、自分のキャリアを十分にアピールすることが大切

・応募企業によって職務経歴書を使い分ける。できるだけ多くの経験を書き出し、応募企業に応じてエージェントに削ってもらう(マンパワーグループ)

・複数社を受けているうちにどこの会社も落ちてしまう人がいる。企業研究が足りずに受けると通過しないので、 身の丈に合った企業数で受けることが望ましい

・どんなに現在の職位や年齢が高くても「謙虚さ」を忘れないことが選考突破や転職後の成功につながる(A・ヒューマン)

・面接は「言ったもの勝ち」のところもある。できるかできないかわからないことでも「やってみます」と言えるかどうか

・買い手市場へ変化したことで、良い求人に関してはいかに早く応募できるかが重要(JACリクルートメント)

・自信のない回答でも「思います」でなく「です」と言い切る癖をつける

転職エージェントの見方

◆ KEY ROLE 兼吉知子社長の話

コロナ禍以降、在宅勤務が広がった影響で入社後の育成が難しくなり、「少し伝えたらピンとくるような即戦力」以外は採用しないという企業側の姿勢が顕著だ。未経験者やキャリアチェンジ案件が急激に減っている。選考過程でライティングなどの実技を追加するケースも出てきており、転職希望者にとっては厳しい環境だ。こういった状況を背景に「(下手の鉄砲も)数撃ちゃ当たる」的な転職活動が増え、職務経歴書や志望動機を使い回す人も少なくない。これでは「本当にそのポジションを志望しているのか」と疑念を持たれかねない。最低でも各ポジション、各企業に合わせて修正したものを使用してほしい。

職務経歴書で意識したいのは「ニーズキャッチ力」だ。自分の視点だけで経歴などを羅列し、一方的にアピールする職務経歴書が多いが、求人票の「業務内容」や「求めるスキル」から、どのような経験や人物を企業が求めているか、どの部分が自分の経験と親和性があると思われるかなど、様々な角度から考え、それを踏まえてアピールすることが肝要だ。自分が企業側からどう見えるか、自身で俯瞰(ふかん)してみよう。自分だけでは難しければ、エージェントの助けを借りると、第三者の視点を得やすくなる。また、会社、業界ごとに特有の用語があるものだが、これまで使っていた言葉ではなく、求人票に書いてある単語を活用するのもよいだろう。

面接での模範解答を尋ねてくる人がよくいるが、中途採用面接での模範解答は存在しない。あくまで自分の言葉で自分自身のこれまでのエピソードを語り、具体的にいかに貢献できるかをアピールすることで、企業側に入社後の活躍をイメージしてもらう、そのための場が面接だからだ。コロナ禍での注意点としては、選考の場がオンラインにシフトし、求められるコミュニケーション力の質が変わってきているということ。「一人で話しすぎていないか」「冷たい印象を与えていないか」など、普段のオンライン会議での自分の様子を録画し、印象や発言(長さやタイミング)を客観的に見直してほしい。

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