「社長のつもり」で新聞読む 脳も筋肉も鍛えてナンボ
マネックスグループ社長 松本大氏(2)

松本大 マネックスグループ社長
マネックスグループ社長の松本大氏は外資系金融機関で働いたあと、組織を飛び出してネット証券を起業しました。競争の厳しいビジネスの世界を生き抜くために、ビジネスパーソンが自分の信条やビジョンを持つには何に気をつけたらいいのか、語ってもらいました。
多くのビジネスパーソンは「自分にこの仕事が合っているのか」と悩んだ経験があるのではないでしょうか。特に頭を使って働く仕事の場合は「(仕事に合っていると)ピンとひらめいた」とか、「どこかに自分に合う仕事があるんじゃないか」とか考えがちになりますよね。
でも、仕事をスポーツや運動に置き換えてみてください。スポーツだと、例えば野球だとバットを振るとか、サッカーだとシュートを打つとか、ある動作を繰り返し練習しないと身につきません。筋肉だって意識して続けてトレーニングしないと大きくならないでしょう。練習しないで「でも試合には勝ちたい、勝てるだろう」と思う人は一人もいないはずです。
たぶん、人の脳には「自分に合っていない」などと言い訳しがちな傾向があるんだと思います。私は脳も筋肉も一緒だと考えています。スポーツで勝つために筋トレをするように、仕事をうまく進めるために脳のトレーニングをすべきです。特に20代の若い人たちは、肉体的にも脳の機能の発達面から考えても、トレーニングの結果が一番出やすい時期でしょう。
若いうちに浪費しない、まずインプット
若い人が「会社がつまらないな」と思ってダラダラ仕事に取り組んでいるのだとしたら、とてももったいないことです。「目の前の仕事に全力で取り組む」ことで、脳の筋力がついてくるはずですよ。
私は優秀な学生や若い社会人に会ったときに、よくこういうことを言います。「早いうちに浪費しない方がいいよ」と。18歳とか19歳で今、持っているものを出力し続けると何かが枯れてしまう。空っぽになってしまうんです。むしろ、インプットすること、脳を動かし続けることが重要です。
ではインプットをどうしたらいいのか、それが分からないという人も多いでしょう。おすすめは新聞を読んだり、ニュースを見たりすることです。