変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

・「バディ」を付けてもらう

新卒入社者などであれば、先輩社員が「指導担当」として付くものですが、中途入社者の場合、そうした対応のないケースが珍しくありません。わからないことがあるとき、業務に関わることであれば、上司やプロジェクトリーダーなどに質問すればいいのですが、職場のルールや習慣などについては「誰に聞けばいいんだろう」と迷うこともあるでしょう。

そこで、最初の段階で「ちょっとしたことがわからないとき、質問や相談ができる相手を決めておいてほしい」と、人事や上司に掛け合ってみてください。メンバーの中でも「面倒見がいい人」を選んで、サポート役として付けてもらえるのではないでしょうか。

新入社員のオンボーディングの施策として「バディ制度」を設けている企業もあります。バディとは「仲間」「相棒」の意。新入社員と先輩がペアを組み、新入社員がアドバイスや指導を随時受けられる体制です。

中途採用の場合は、必ずしも年齢やポジションが上の「先輩」でなくても、その会社のルールや習慣をよく知っている人がバディとなってくれれば心強いでしょう。関係を深めたバディがその後のキャリアデザインや人生においてよきメンターとなってくれるような発展があれば、まさに理想といえます。

・上司と定期的に「振り返り面談」を行う

最近は上司と部下の定期的な「1on1」(1対1の面談)を制度として運用している企業も増えていますが、組織が未熟なスタートアップやベンチャー企業では、「面談」が制度化されていないケースも多いようです。業務に関するミーティング以外に、「この会社で働いてみてどう感じるか」をじっくり話し合う機会がない。そのせいで、何かのきっかけで生まれたモヤモヤ感を抱き続けてしまうこともあります。

そこで、自分から上司に対し、「週1回、定期面談の時間をください」などと相談してみましょう。入社から「3カ月間」「半年間」など期間を決め、その期間中の面談日程をあらかじめ確保してもらうのも有効です。本来業務以外でモヤモヤ感を抱くことがあれば、この場で解消するようにしてください。

・同期とつながっておく

中途採用者の場合は「同期」がいないケースも多いのですが、近い時期に入社した人がいる場合、「同期」と見なしていいでしょう。連絡先を共有して「同期会」などを開き、お互いが持っている情報やナレッジ(知見)を共有してはいかがでしょうか。

今はオンライン化のおかげで、他拠点にいる同期ともコミュニケーションをとりやすくなっています。人事担当者につないでもらうなどして、職場のチームメンバーとは異なる「仲間」をつくることをお勧めします。

以上、新しい組織になじむための行動のポイントをお伝えしました。「放置されている」「孤独だ」と嘆くことになる前に、自分から周囲の人たちとつながりをつくっていきましょう。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

森本千賀子
morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「マンガでわかる 成功する転職」(池田書店)、「トップコンサルタントが教える 無敵の転職」(新星出版社)ほか、著書多数。

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