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応募先企業から信頼、安心される「人脈話」とは

面接者「ああ、Aさんとご一緒にやられていたんですね。Aさんには当社でも、事業部でとてもお世話になっていますよ」

あなた「御社でもつながりがおありなのですね。Aさん、気さくでとても良い人ですよね。プロジェクトに絡んで、何度か食事をご一緒しましたが、仕事を離れた趣味も多彩で、お話を聞いているだけで、とても勉強になっています」

先のような人脈の開示をしていると、面接中にこんな会話になったりします。

このような会話が飛び交うことが、特に上位職になればなるほど自然と増えるのが、私が経営層・幹部層の案件に携わっていて、とても楽しいひとときです。当たり前のことですが、どんなに大きな事業やプロジェクトであっても、いや、だからこそ、それはしごく個別的な人と人とのご縁やお付き合いで動いている、回っているということを実感する瞬間です。

人脈とは「誰を知っているか」以上に「誰に知られているか」。いわゆるリファレンスの確かな人こそ、企業が採用したい人です。

そういう意味では、面接者とあなたの会話の中で登場したAさんこそ、人脈力があり、リファレンスの確かな人だともいえるわけですが。なにも当人に直接聞くということばかりでなく、こうした共通の第三者について、面接者とあなたがしっかり具体的な話をすることができ、それが双方から見て信頼に足る、間違いない情報だと確認できることも、立派なリファレンスなのです。ちゃんとしたつながりや付き合いがなければ、各論での話を交わすことはできません。

最近は外資系企業のみならず日系企業でも採用可否の最終判断においてリファレンスチェックが行われるケースも増えています。それを代行するようなサービスもいくつか登場しています。

転職・採用というプロセスにおいては、いわゆる正攻法のリファレンスチェックも採用候補者の身元を確認しリスクヘッジする一つの手段として悪くないですが、しかしそのリファレンスチェックですら日常的なところからの情報収集ではなく、「裃(かみしも)を着せたヒアリング」とならざるを得ません。(照会を頼まれた人が、その相手を悪くは言えませんよね。)

ですから、本来的にはやはり上記のような会話の中で、突っ込んだ人脈話ができるほうがお互いに望ましいですし、応募先企業からの信頼獲得度合いははるかに大きいでしょう。あるいは形式張ったリファレンスチェックの依頼を企業から受ける前に、「Bさんに私のことをぜひ聞いてみてください」と言えると素敵ですね。いずれにしても、これらのことを通じて、あなたの真の人脈力、人望が問われることに相違はありません。

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