成績はガタガタ、ITには覚醒 S高校長の広大付属時代
吉村総一郎・S高等学校校長(上)
プログラミングに出合ったのは広大付属高校に通っていた時期のことだ。
高1の夏に先輩に誘われ、体育祭の名物種目のマスゲームの活動に加わりました。「広大付属と言えば、マスゲーム」といわれるぐらい地元では有名な行事、人気漫画「紅茶王子」の体育祭の場面の元ネタになったとネット上で話題になったこともあります。

「広大付属体育祭の名物種目、マスゲームでリーダーとしてのイロハを学んだ」と振り返る
このマスゲームでは、男女100人あまりの生徒が1秒も狂わず、統一され、華やかな行進を繰り広げます。その動作は先輩から受け継いだプログラムを活用し、精緻に計算して設計しました。当時はNECのパソコン「PC-98」上で動くソフトを使っていました。制作担当リーダーとして約100人のプレーヤーをまとめ上げ、音楽の編集担当など関係者との調整や後輩の指導・教育も担いました。準備には1年近くかかりますから、3年間の相当の時間をマスゲームの制作に費やしました。今につながるコミュニケーションやチームづくりなどリーダーとしてのイロハはこのマスゲームで学びました。
私は、広島市の隣の呉市の出身です。父の転勤で小学校の高学年から中1まで横浜市で育ちました。横浜の小学校で「広島弁」をしゃべると浮きます。やっと慣れたと思ったら、地元の呉に戻り、標準語で話すともっと浮きました。通学した呉の公立中にはなじむことができず、そのまま地元の高校に進学する気にはなれなかったため、尊敬していたいとこが進学した広大付属高校を受験しました。