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では、情報通信業への転職者は同業からの転職が多数を占めるかというと、そうでもありません。同業からの転職は3分の1程度で、残りは広く多様な業界からの転職者が占めています。年齢層別に見ると、中高年層は同業からの転職者が多いものの、若手層ではその比率が下がり、24歳以下では同業からの転職者は16%に過ぎません。

若手層は他業界からの転職組も多く

若手であれば、同業で技術や知識を培うだけでなく、他業界からもリテラシー(知識)を高めてチャレンジする余地がある一方で、中高年になるとより同業での経験を通じた即戦力を求められていると言えそうです。なお、若手層は給与水準の異なる他業界からの転職者が多いことも年収増になった率の高さにつながっている面があるのではないかと推察されます。

情報通信業やDX市場でキャリアを形成するなら、若手層は一定のリテラシーが必要だと思います。ただ、十分な実力がつくまでと過度に自己研さんに時間をかけたり、業界が異なるため実務経験が不足しているからと躊躇(ちゅうちょ)したりするのではなく、勇気を持って早く飛び込むことが求められているのではないでしょうか。

中高年層は若手層に比べ同業からの転職が多く、情報通信やDXの現場経験を生かした即戦力になることが期待されるのを踏まえると、一足飛びにキャリア形成を目指すのではなく、まず情報通信業に入ることを最初のステップとし、そこで実務経験を積んだ上で、より自己実現に適した場を情報通信業で求めていくような動き方が求められるのではないでしょうか。

筒井 慎介
2000年、東京大学工学部卒。ジェーシービーを経て、A.T. カーニーに入社。エネルギー、電力、都市ガス、通信業界を中心に、事業戦略、M&A戦略、新規事業立案、シナリオプランニングなどを支援。2013~14年に経済産業省資源エネルギー庁電力改革推進室(課長補佐)に出向。14~16年度まで京都大学 大学院経済学研究科 特任准教授。

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