障害は価値に変えられる バイト先で起業精神を学ぶ
ミライロ 垣内俊哉社長(上)
――起業のパートナーとはどのように出会ったのですか。
「障害者は周囲の人から同情されがちです。私も学食で食事する際は、周囲の学生が運んできてくれたり、返してくれたりします。しかし、同じクラスの民野剛郎(現ミライロ副社長)は違いました。食事後は『はい、じゃんけん』と、負けたらお前が俺の分も一緒に返してくれと手を差し出してきました。私がお盆を持ったまま車いすをこげることを理解した上で、他の学生と対等に接してくれたわけです。それで心を許せるようになりました」

ビジネスの知識やノウハウの多くは本から得たという。1年に100冊は読破するが、ストレス解消も読書だ。この場合は小説を読み、非日常生活を味わう。歩くことを諦めてはいないが、小説の世界だと走ることも飛ぶことも自由自在だ
「大学2年の頃、2人でビジネスプランを考え、3年で起業しました。実は民野の実家は会社を経営しており、後継者として期待されていました。しかし、『こいつは君にほれているから』と起業を許してもらえました。『君を支えたい』ではなく、ほれているという言葉に感銘を受けました。やはり家族です。私のことを対等な立場の人間として認めてくれたわけです」
(聞き手は代慶達也)
垣内俊哉
1989年愛知県安城市生まれ、岐阜県育ち。骨形成不全症により幼少の頃から歩行困難に。立命館大学経営学部在学中にミライロを創業した。
1989年愛知県安城市生まれ、岐阜県育ち。骨形成不全症により幼少の頃から歩行困難に。立命館大学経営学部在学中にミライロを創業した。