筑波大で挫折、留学で円形脱毛症 曲折経て人材会社へ
大沢陽樹・オープンワーク社長(下)
09年にリンクアンドモチベーションに入社した。
大学院を修了する際に、総合商社や外資系コンサルタントへの就職も考えましたが、人材や組織改善の仕事をやりたいという思いから入社を決めました。江戸取時代に剣道部の部長として組織を束ね、部員のモチベーションのアップに汗を流した経験もあったからだと思います。
入社後にDeNA会長の南場智子さんやZOZO創業者の前沢友作さんらをクライアントにコンサルタントとして向き合いました。著名な起業家と接し、自分も経営を通して社会を良くしたいという刺激を受けました。リンクの企画室室長の頃、オープンワークの前身のヴォーカーズに興味を覚え、出資を検討し、実行しました。その後リンクを退職し、オープンワークに入り、20年4月から社長を務めています。
この社員口コミサイトの特徴は、クライアントではなくユーザーに寄り添ったサイトだということです。すでに15万社以上の企業情報が集まっていますが、当然、企業側にとっては「不都合」な情報も載っています。色々な企業の経営者の方に会うと、「あの口コミは削除してくれないか」と言われることもありますが、基本的には投稿してくれたユーザーのためにも、お断りしています。
ただ、我々の側で、私的な感情に基づいていたり、裏のとれない情報は徹底的に吟味し、ユーザーにも企業にも悪影響だと判断した場合は削除することもあります。できる限り正確で客観的な口コミ情報を追求しているわけです。この膨大なワーキングデータを元に分析ツールの提供も開始し、就職・転職活動全般を支援するサービスに発展させたいと考えています。
紆余曲折を経て人材系企業の経営者をやっていますが、江戸取から筑波大、英留学、東大大学院と様々な空間で多種多様な人と一緒に学んだことは貴重な財産。この多様な経験が今の経営に生かされていると思います。
(代慶達也)