変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

35歳までに試算しておきたいリタイアまでの資金計画

35歳ぐらいまでに考えておきたいことの一つが、リタイアまでの資金計画です。あまりにも細かい計画は立てられないかもしれませんが、現実に起こることとして概算だけでも試算しておくと、結果的に余計な不安を招かずに済みます。

例えば今35歳の人の場合、年金受給開始の65歳までに残り30年間もあります。ただでさえ年金だけでは生活できないという不安が現実味を増す中、それから目を背けるわけにはいきません。

老後生活に必要とされる貯蓄額は「3000万円」とも「1億円」ともいわれています。

平均的な家計像として、総務省の家計調査から平均支出額をピックアップしてみると高齢無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の消費支出は月平均で約24万円です。

この24万円の支出を、年金だけで賄っている世帯は実際にはほとんどなく、多くの世帯では不足分を貯蓄からの取り崩しか、何らかの収入で補てんして生活しているのが実態だそうです。ちなみに、老後のための必要貯蓄額としてよくいわれている「3000万円」という金額は、60歳で定年退職してから年金受給開始年齢の65歳までの5年間の生活費と、65歳以降の毎年の赤字額の合計から試算されているそうです。

週刊誌などではハイパーインフレや年金制度の崩壊など、不穏な情報が飛び交っていますが、極端な予想を前提にしてしまうと試算が成り立たないので、いったんそれらは除外して考えると、現在35歳の人は、向こう30年の間に、

(1)65歳の年金受給開始までを生き抜くための生活費(住宅ローンや教育費を含む)を稼ぎ続けることと、

(2)65歳以降の老後を生きるための貯蓄(仮に3000万円)

の2つを用意しなければいけないということになります。

40代、50代、60代の人生を充実したものにしながら、70代以降にいかに備えるかというテーマを、仕事を通じた報酬で裏付けていく。早期退職制度で想定していなかった1000万円の臨時収入があったとしても、この全体設計にうまく組み込み、継続的収入を担保し続けていかなければ安心できないということです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック