第2の人生のステップ 会社辞めず、週末バイトも有効
セカンドキャリアの拓き方 ~50代会社員へのヒント(上)
私は法人設立の計画があったものの、体験的シミュレーションをしないままに会社を辞めました。全くのゼロから立ち上げて、ギリギリの生活も経験しました。今となってはそれも肥やしと言えますが、そんなリスクは避けるに越したことはありません。幸い、最近は副業・兼業が推奨される世の中になりました。50代の会社員こそ、これを活用しましょう。
会社にいながらにして副業・兼業でセカンドキャリアの体験的シミュレーションをし、進路を決めていく。セカンドキャリアのソフトランディングです。転職か、個人事業主か、あるいは多少の不満があっても今の環境に残るのか、時間をかけて考えるのです。手にしている環境を安易に手放し、いたずらに自らを追い込む必要はありません。
選択肢広げて「ゆるく」始める
副業・兼業といっても、他の会社で雇用されることだけではなく、もっと「ゆるい」形から考えましょう。私には以前から「いつか軽井沢で好きな車と本に囲まれたカフェを始める」という夢があります。まだ実現の予定はありませんが、あなたにもし同じ思いがあったら、何から始めますか? 事業計画を作って市場調査をして――なんて考えたら相当のパワーが要りそうで、試すことなく諦めてしまいそうです。
まずは個人でカフェを開いた人のお店で、週末にアルバイトをしてみてはどうでしょう。セカンドキャリアの相談をして来る人に「週末を使って準備しては?」と勧めると、「いやぁ~、週末も忙しくて」と言うのですが、聞いてみると忙しい理由はゴルフなどの趣味だったりします。趣味は一時諦めて、次の人生の準備に時間を充てることも考えたらどうでしょうか。アルバイトをしながら個人事業の立ち上げの苦労や運営の実際、得た喜びなどを「取材」するのです。多少なりとも小遣いの足しにもなります。
自分もできそうだなと思ったら、次は軽井沢に旅行がてらに通って知り合いを作り、地元に受け入れられる関係を作って情報をもらえるようにする。その過程で無理だと思ったら、やめればいいのです。他にも知人の会社を手伝わせてもらったり、得意技があるならば個人事業主として請負事業から始めてみたりするのもいいでしょう。あるいは転職を考える業界で勤務日限定の社員として働くなど、体験の仕方はいろいろあります。