ワーケーションで変化対応力磨く 2拠点生活も効果大
エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子
また、ワーケーション誘致にいち早く取り組み、力を入れているのが和歌山県。2004年からサテライトオフィスを設け、2015年に大手IT企業が利用し始めて以降、拡大しているようです。県は、「Wakayama Workation Networks(ワカヤマ ワーケーション ネットワークス)」を設け、和歌山でのワーケーション関連サービス提供者の取り組みを紹介しています。
中でも、南紀白浜空港は、地域の交通ハブとなり、ひとたび空港に来れば誰もがどこへでも自由にスムーズに移動できるように、地元鉄道会社・バス会社と連携し交通ネットワークの拡充を進めています。
このほか、長野や静岡など、首都圏から新幹線でアクセスしやすい地域でも、ワーケーション拠点整備が進められています。2019年には「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」が発足し、全国への普及を促進。今後、ワーケーションに活用できる拠点はさらに多くの地域へ広がっていきそうです。
希望のライフスタイルの実現とともに、新たな人脈も築ける
では、大都市圏で働くビジネスパーソンたちは、どのようにワーケーションを活用しているのでしょうか。私の知人では、こんなケースが見られます。
●地方への出張の前後に、現地でワーケーション施設を探して利用
●フルリモートOKの会社に勤務する女性が、子どもの春休み期間中、子どもと一緒に地方に長期滞在。平日は子どもが遊んでいる間にリモートワーク
●釣りが趣味の男性が、全国で釣りスポットを探し求めながらワーケーション
●家族サービスのため、旅行費用が安く済む平日を選び、家族と一緒に観光地へ。日中は妻と子が現地で遊んでいる間にリモートワーク
非常に多忙で、これまでは休暇を取る時間などなかった人々も、リモートワークの定着により、ワーケーションを実践できるようになりました。リフレッシュでき、メンタルバランスが整う人もいます。
リモートワークをする以外にも、例えば、会社を辞めて次の会社に入るまでの間、資格取得やスキルアップの勉強に集中するためにワーケーション施設を利用するのも有効だと思います。そして、バケーションを楽しんでリフレッシュする以外の効能もあります。それは「人脈の構築」です。コワーキングスペースで地元企業のビジネスパーソンと交流したのをきっかけに、ビジネスで手を結んだり、地元企業で「リモート副業」を始めたりするケースが生まれているようです。