桜蔭生「勉強してない」は嘘 書道部員が明かす本音
桜蔭中学校高等学校(中)
――今後の活動予定は?
生徒C コロナで延期されていた冬展を先日ようやく実現できて、一息ついたところです。いまは9月の文化祭に向けての準備が始まっています。文化祭が私たちの活動の集大成になります。
夏合宿は誰もがスランプに
――まだ5月だが、いまから数カ月もずっと同じ字ばかり練習するのか。
生徒C それぞれ数作品を出すのですが、基本的に同じ字ばかり書き続けます。夏休みに4日間の通い合宿があるのですが、そのときは朝の9時から夕方4時までひたすら同じ字をずーっと書き続けます。合宿後半には、みんな負のオーラをまといます。

文化祭で来場者にプレゼントする手作りのしおり
生徒D 最初は順調にうまくなっていくんですけど、ある線まで来ると、それ以上が書けなくなる段階が1回あるんです。3日目くらいにスランプが来るんだよね。自分では何がいけないのかまったくわからなくなってしまって。
生徒C ようやく作品を先生に見せに行ったら、「なんか、前のほうが良かったよね」とか言われて、「私、1日頑張ったのに……」みたいになったり。
生徒B でもそれを乗り越えてうまくなると、先生がべた褒めしてくれて、そのときは涙が出るくらいうれしいんですよ。
生徒A かなりしんどくなっているときでも書き続けられるのは、先生との交流があるからだと思います。
生徒B あと、この、いい雰囲気。
生徒C 書道は基本的に独りで取り組むものですが、だからこそみんなで励まし合います。
――将来の夢・目標、逆に現在の悩みや葛藤は?
生徒D 和歌の研究がしたいので、大学では国文学を目指そうと思っています。
生徒C いまは明確な目標をもっていないので、とりあえず目の前の勉強を頑張ることにしています。まわりのみんなが本当に優秀なので、ちょっと勉強をサボるとすぐに置いていかれてしまうというプレッシャーは大きいです。特に高2になった瞬間、みんな思った以上に勉強するようになったよね。
生徒A 全員がお互いにそう感じて、お互いに高め合えていますね。

文化祭出展作品を折り帖(ちょう)にして冬展で展示する
生徒D その環境はすばらしいと思いますし、先生も親身になってくれます。
生徒B 私は医療系の仕事に就きたいと思っていて、そうなると勉強も頑張らなきゃいけないんですけど、でも本当にみんな頭がいいから、自分はダメだって、落ち込むことも多いです。
――そこで「まあ、いいや!」とはならない?
生徒C 「もう、いいよね」ってみんなで話をしていたはずなのに、蓋を開けてみるとみんないい点数を取っているということがよくあります。テスト前はみんな「今回マジでやってない……」って言うんですけど、絶対信用してはいけません!
生徒B 桜蔭生の「勉強してない」は嘘だよね。