転職4回で年収6倍 仕事観変えた初戦惨敗からの教訓
キャリアメンター 藤原淳さん(上)

転職支援サービスを運営する藤原さん
マンツーマンでの採用面接対策や職務経歴書添削などを通じ、転職を支援するサービス「wami career(ワミキャリア)」を運営するWAMIの代表の藤原淳さん。求人紹介はしないキャリアメンターというのが藤原さんの特徴だ。自身はグローバルでの活躍を夢見て米国に留学したが、帰国後は派遣社員からのスタートとなり、「挫折感を抱いていた」という。転職活動での「惨敗」から学んだキャリアアップに欠かせない心構えとは。
米国大学卒業後、派遣社員でキャリア開始
――米国の大学を卒業して帰国後、初めは派遣社員としてキャリアをスタートしました。
学生時代は「グローバルで活躍し、自らの力でどんどん道を切り開く格好いい女性」に憧れていたのですが、思い描いていたのとはやや異なるスタートになりました。大学卒業後、現地でそのまま働きたいと考え、就職活動もしましたが、自分に合う仕事が見つからなかったのです。
日本に帰国したのは5月ごろ。新卒の正社員採用の時期は終わっていました。2000年代初めの当時は通年採用を実施している企業もほとんどありません。一方、派遣労働については規制緩和が進んでいた時代でもあり、ひとまずは派遣社員として、語学力も生かせる外資系証券会社で働くことにしました。
派遣という働き方をネガティブに捉えていたわけではありませんでしたが、「もっと広い舞台で活躍するはずだったのに」という挫折感はありましたね。
――初めに勤めた外資系証券会社は1年で退職し、次の日系証券会社で正社員への転換というキャリアアップを果たしました。仕事にはやりがいを感じましたか。
それが全く感じられていませんでした。外資系証券会社では高度な知識を要する金融商品を取り扱っていて、業務の重圧に耐えられず、退職しました。次の会社でせっかく正社員になったわけですが、今度は単純な事務作業が中心の仕事内容に張り合いがなさ過ぎて。「私は何でこんなことをやっているんだっけ」「もう頑張れないから辞めたいな」と思いながら出社する日々でした。