1度の転職で「満点」はない 「3度目の正直」を探そう
リンクトイン日本代表 村上臣氏(2)

村上氏は「1度の転職で全てかなうとは思わない方がいい」と語る
当欄「ビジネスの視点」はマネックスグループ社長の松本大氏、ビジネス向けSNS(交流サイト)を運営するリンクトイン日本代表の村上臣氏、ユーグレナ社長の出雲充氏、KADOKAWA社長の夏野剛氏がビジネス関連の現状や展望などについて持論を展開します。
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米リンクトインは欧米を中心にビジネスパーソンをつなぎ、就職や転職にも欠かせないツールとして成長しました。ユーザー数は7億5000万人を突破しています。日本では当初、利用は伸び悩みましたが、新型コロナウイルス禍で急増しています。同社日本代表の村上臣氏に転職などキャリアをテーマに語ってもらいました。
「本当の会社の姿を知りたい」と就活生でもリンクトインを活用する人が増えています。企業のホームページや採用関係の情報メディアだと、会社に都合のいい話しか書いていません。コロナ禍で対面での面接がリモート面接に切り替わる中、会社訪問もできないので、ますます会社の実態が見えてきません。
就活生、SNSで会社情報の収集
そこで、ある学生はSNSで希望する会社の担当者を探し出し、いろいろと情報交換しました。職場の生の声が聞け、会社の文化や雰囲気を感じ取れ、事業の方向性も分かってきます。自分と相性のいい会社なのか、その会社で自身の目標が達成できるのかなども次第に見えてくるわけです。会社側もその学生が有能で適性があると判断すれば、採用担当につないでくれたりするわけです。
学生の中には興味のある会社の担当者をSNS上で見つけて自己PRし、インターンシップ(就業体験)に採用されたという例もあります。実はその会社はインターンシップを一般公募していなかったのですが、学生の熱意と能力を評価し、特別に採用されたのです。自らキャリアを切り開く積極派の学生も出てきているわけです。
中途採用の例ですが、新卒時に第1志望だった企業に数年後、SNSを活用して中途採用された方もいます。他の会社に入社してキャリアを磨き、もう一度、憧れの企業の担当者を探し、それまでの自分の能力や経験を訴え、何とSNS上で事業提案までしたそうです。もともと中途採用する気のなかった事業部門が「面白いじゃないか」と採用を決めたそうです。