ライザップ風にキャリア支援 若手エリートの悩み相談
ポジウィル社長 金井芽衣氏

ポジウィル社長の金井氏
キャリア支援サービスを手掛けるポジウィル(東京・港)社長の金井芽衣氏。同社は「ライザップ」のように専属トレーナーが長時間かけて個人のキャリアを支援するのが特徴だ。2017年に起業して3年間で相談件数は1万件を超えた。もともと短大を出て、保育士になるつもりだった金井氏。なぜパーソナルキャリア支援事業に挑んだのか。
「こんなエリートなのに、なんで自信がないの」。外資系コンサルタントなど100人余りのビジネスパーソンの転職相談に乗った金井氏は思わずつぶやいた。いずれも一流大学を卒業し、年収は1千万円を超す30歳前後のエリートと呼ばれる人たちだ。
若きエリートの本音に驚く
金井氏は当時、新卒で3年間勤めたリクルートエージェント(当時)を退職後に独立し、営業職などの研修・育成に当たっていた。その頃、ベンチャーキャピタル(VC)のスカイランドベンチャーズの代表、木下慶彦氏からある依頼を受けた。スタートアップ企業のCXO(最高責任者)になるリーダー人材探しを頼まれたのだ。
東京大学などを卒業し、華麗な経歴の若手ビジネスパーソンに電話で次々アタックした。話し込むうちに予想外の反応があった。少し打ち解けると「実は仕事に自信が持てなくて」「上司や同僚とうまくいっていない。会社を辞めたい」と本音を吐露し始め、「あなたは十分に価値があるよ」と励ますと、泣き出す人もいた。
結局、電話で話した人の約2割が相談の継続を求め、「お金を出してもいいから、話し相手になってほしい」という人もいた。当初はなぜこんな若手エリートたちが悩んでいるのか理解できなかった。