転職の求人、35歳で半減 複数の職場での掛け算は強み
「日経転職版」特別セミナーから
ミドル転職の具体的な進め方
――実際に「ミドルの転職」を試したいという場合、どのような方法がありますか。
ミドル世代の転職の手段は、実は分散しています。一つは、転職サイトに登録してエージェントからスカウトメールをもらうという方法。さらに「縁故」というのも少なくありません。前職時代の上司から声がかかったとか、親戚の会社で後継者がいないので引き継ぐことになったとかというパターンです。
ほかにも、特に地方では「ハローワーク」を利用した転職も多いです。ここで注意したいのは、ハローワークの場合、年収が低い傾向がありますが、転職エージェントを利用すると、比較的年収が高い求人も多い点です。ハイキャリアの人の間での縁故でもやはり年収は高い傾向にあります。
縁故の場合、ネットワークが限られる事情から、選択肢が狭くなる傾向にあります。だから、縁故の増幅装置であるSNS(交流サイト)をうまく活用したり、転職サイトを利用してマーケットから広く情報を得たりするほうが妥当な場合もあります。
――年齢によって難易度は変わっていくのでしょうか。
求人票には年齢制限が書かれていなくても、実際に採用する側はイメージする年齢層を持っている場合がほとんどです。その結果、何が起こっているかというと、35歳を過ぎた瞬間に求人が半減、40歳を過ぎた瞬間にさらに半減。45歳、50歳でもやはり同じようなことが起こるくらいのインパクトは年齢によってあります。
企業の人事構成が年齢でピラミッド構造になっている以上、現場のプレーヤーである35歳以下に求人が集中するのはある意味で当然のことです。年齢によって転職ができないということはありませんが、需給のバランスが変わるので、満足する転職の実現可能性は、年齢が上がるごとに下がっていく構造にはなっていると思います。