プレゼンを制する者がビジネス制す 必勝の思考法とは
リブロ汐留シオサイト店
「今こうですが」「こうなりましょう」の部分を飛ばして実現案だけを語るプレゼンが世の中では意外に横行しているという。それではなかなか相手の共感を得られず、プレゼンが通らないことになる。
こんなシンプルな型を示す一方で、安易なゴール設定を戒める。「本質的なゴールを見つけるのが、良いアイデアを考える最良の道筋」といい、その方法論として「そもそも思考」を提示し、「ビジョン」のつくり方を考えるのが第2章〈ビジネスの「ゴール」を決める 新時代の「ビジョン」を提案しよう〉だ。この展開でプレゼン思考はビジネスや経営全般に通用する思考法へと広がっていく。
3章では共感を生むための「心の動かし方」、4章では世の中を動かす人生を軸にしたアイデアの生み出し方、5章では伝わるプレゼンに向けたストーリーの考え方を語る。そして最後の6章では「効率から愛着へ」をキーワードに「愛される」プレゼンづくりを考える。これはそのまま愛される事業、愛されるプロジェクトを発想することへとつながっていく。商品開発から販促企画、まちづくりや政府プロジェクトまで手掛ける著者の手広さが、プレゼンのスキルを応用範囲の広いビジネス思考法にまで押し広げているといえるだろう。
「出たばかりだったが、すぐに店頭で反応が出た」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。電通本社もあり、企画系の会社が多い汐留地区では当然の反応だろう。
『習慣超大全』が上位に
それでは先週のランキングを見ていこう。
1位が2冊。その一つが今回紹介した『プレゼン思考』だ。もう1冊はロングセラーの『学びの効率が最大化するインプット大全』。2019年夏刊行の精神科医によるスキル本だ。同数の3位に5冊が並ぶ。SDGs(持続可能な開発目標)、高速通信規格「5G」とはやりのテーマの本のほか、スタンフォード行動デザイン研究所所長が語る行動を変えるメソッドを紹介した本の3冊が新刊書だ。ほかの2冊はともにロングセラーの食事術の本と自己啓発小説だった。
(水柿武志)