変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

おすすめの3冊は、いずれも新人としてスタートダッシュを切るための必読書とも言えるが、床次さんは高い成長を目指す人に必須のマインドセットとして次の5つを挙げる。

・主体性:常に自分からアクションを起こす
・付加価値:お客様、同僚、上司の期待を1ミリでも超える
・チームワーク:多様性を受け入れながらチームに貢献する
・キャッチアップスピード:限られた時間の中で新しいことを素早く吸収する
・ストレッチ:常にストレッチ(背伸び)したゴールを設定する

「新人研修でもこれを意識しているので、受動的に講義を聞くだけのスタイルはなく、必ずチームで課題に取り組んでもらいます。エクセルの研修でも、関数について手取り足取り教えることはしません。どんな関数を使えばいいのか、自分たちで調べて試行錯誤してもらいます。プロジェクトの現場では常に新しい課題にチャレンジしなくてはなりませんし、技術も日々アップデートされているので、その都度、自分で学んでいく姿勢が求められます。ですから研修では、学び方を学んでもらいたいのです」

「働き方も自分でデザイン」週4日勤務

5つのマインドセットは、言うは易く行うは難し、という印象だが、多忙な日々の中でどんなことを心がければいいのか。床次さんは自らが実践している2つのコツを伝授する。一つは、スピーディーに新しいことを学ぶために社内の専門家に臆せず聞くことだ。

「当社の50万人を超える社員の中には、多様な分野の専門家がいて、(ウェブ会議システムの)Teams(チームズ)でつながることができます。どこかにいる専門家の知識・知見を借りることで、情報収集の時間を圧縮し、プロジェクト独自の価値を生み出すことに集中できます。その点、新入社員の世代はSNS(交流サイト)になれているので、会ったことのない人に聞くというのは抵抗がないかもしれませんね」

床次さんは週4日勤務に変えて生産性が格段にあがったという(写真はオンライン取材の様子)

床次さんは週4日勤務に変えて生産性が格段にあがったという(写真はオンライン取材の様子)

2つ目のコツは働き方を自分でデザインすること。小学生の二人の男の子を育てる床次さんは短日・短時間勤務制度を利用して、3年前から週4日勤務に変えた。以前は仕事でも家庭でもフル回転でインプットの時間が取れず、余裕のなさから体も心も疲れていたが、働き方を思い切って変えたことが功を奏したという。

「平日の子どもの習い事や行事にも対応できますし、インプットをする時間もしっかり取れるようになりました。働く日は1日減りましたが逆に生産性は格段に上がり、週5日勤務していた時以上の成果を出せています。頭がフレッシュだといいアイデアも浮かぶんです。アクセンチュアは多様性を重視するカルチャーなので、私のように管理職であっても自由な働き方をしている人は多いです」

成長したいと願うなら、知識をつけるだけでなく、自らアクションを起こし自分が成長できる環境をデザインしていくことが何より大事だと言えそうだ。

(ライター 石臥薫子)

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