コーポレートガバナンスコードも出世の指針 注目点は
20代から考える出世戦略(114)
リスクテイク経験を積む
透明性基準に示されている、ジェンダーや年齢、グローバル経験などは、これからのビジネス経験で変動しようがない部分もあります。
むしろ私たちが検討すべきは、リスクテイク基準の方です。
たとえば事業成長という観点で、3つの基準を示していますが、これらはいつでも積んでいくことができる内容です。
特にフロント部門とバック部門とで、それぞれの成長に指針として参考にしやすい内容です。
フロント部門では、例えば自社理念への共感は、上位経営層との対話を通じて学びつつ、周囲に広めていくことで確実に自分のものにできます。
リスクテイク経験は、厳しい経営環境において自ら意思決定の現場に携わることで、経験してゆくことができます。
商品や顧客開発は、ピボットを繰り返すリーンスタート戦略で最重要視されるものですが、伝統的企業においても十分検討し、実践できるものです。
バック部門では、リスクマネジメント領域における財務、法務、人事経験を積み、それらを企業価値の観点から語れるようになることで、十分に認められるようになります。
経営層は遠い目標ではない
激変する時代の中で、経営層に求められる基準は今までと大きく変わっています。しかし、その本質はシンプルです。
ここに示した基準のたった一つでも、他者に負けないと言えるものがあれば、確実に経営層への階段を上ってゆけるのです。
ぜひ皆さん、あらためて経営層に求められるスキルマトリックスの基準を自分のものにしてみてください。
平康慶浩

セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。
