35歳からの転職面接 前職成果の再現PRが決め手に
ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行
自分独自の工夫と成果の相関を語らなければ伝わらない
採用選考を勝ち残るための基本は、あくまでも面接官ファーストであることです。
「自己PRとは、自分がアピールしたいことを伝えるためのもの」ではなく、「面接官が知りたいであろうことを伝えるための時間です。では、企業の経営者や人事部長、採用担当者など、面接官が知りたいこととはどんなことだと思いますか?
答えは至ってシンプルです。「その人を採用したら、仲間として、会社や組織にメリットをもたらしてくれる人か?」という点に尽きます。そして、そこで求められるメリットとは、多くの場合、売り上げや履歴などの数字で表されるものです。
つまり、すべての自己PRは「それがその会社にとってどう役立つのか?」というロジックで語り続けることが原則だと思います。
「私の強みは」と語り始めるのではなく、「御社の課題に対して私が貢献できる点は」という文脈で話を進めていくと、社内で必要とされる度合いは確実に高まっていくはずです。
また、成果を説明する際にもう一つ気を付けたいことは、「成果を生み出すために、自分が工夫したこと」と「それが成果にどのような影響を及ぼしたか」を論理的に説明することです。合わせて、大きな仕事になればなるほど、成果を生み出すために関わった人の数が増えるので、「成果に対する自分自身の関与度」の客観的な説明も重要です。
・自己PRの基本的構文
(1)もともとの課題
(2)目標
(3)目標の達成度(=成果)
(4)チームの中での自分の役割・ミッション
(5)成果を生み出すために自分が行った創意工夫
(6)その創意工夫が、成果にどんな寄与をしたのか
この構文に沿って説明できると、相手にもあなたの力量が具体的に伝わりやすくなります。数字や固有名詞を組み込むことで、より客観的で率直に伝えることが可能になります。大げさなアピールでないことが伝わると、誠実な印象を持ってもらうことにもつながります。
また、自分の強みをアピールする際の観点として、具体的なプロジェクトが成功するまでの「ビフォア・アフター」が強い印象を生むことは間違いないのですが、下記のポータブルスキルの観点=「課題を明らかにする力」「計画を立てる力」「実行する力」「人との関わり方」などで、エピソードを抽出する方法もあります。アピールするネタに困ったら、ぜひこのような観点も参考にしてください。