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面接は「成果の再現性」が発揮できるかを確認する場

面接は、選考する企業が自社に合う人材を見きわめる場であることは間違いありません。しかし、逆に、応募する個人側がその会社で自分が貢献できるかどうかを確認する場でもあります。

また、具体的に会社の方針や仕事の中身を聞くことは、意欲を感じさせる側面もあります。

「今後の経営戦略では、どんな優位性を磨いていこうとしておられるのでしょうか?」

「配属先の部署における課題はどんなものがありますか?」

「もし配属されたら自分が最初に任せられるミッションはどんなものが考えられるか?」

「仕事の進め方について、留意しておくべきことを教えてください」

「いま活躍している方はどんな強みを持っている人が多いのでしょうか?」

組織の中で働くことを具体的にイメージした質問をすればするほど、前のめりな姿勢が伝わる可能性が高まります。決して外部のお客様ではなく、社内の人間であるかのようなテンションで、自分が働く姿をイメージするために聞けることはどんどん聞いて、確認していったほうがいいと思います。

最後に、面接を担当する人事担当者が、どんな観点で選考に臨んでいるのか、のヒントを共有します。選考の方法論の一つに、たとえば、「コンピテンシー面接」という考え方があります。

コンピテンシーとは、ある成果を生み出すために、その人を取り巻く環境の中で、自分が持つ能力的な資源(知識、スキル、経験など)を、どのような工夫を加えながら活用することが最も効果的かを考え、それを実行する力のことを言います。

コンピテンシー面接のポイントとして、深掘りされるのは「単に知識を持っているだけでなく、行動化しているかどうか」「行動化において、成果を最も効果的に創出できるための工夫があるかどうか」の2点です。

たとえば、「あなたの一番の強みは何ですか?」などの質問に対する回答の中に、「本人が工夫を加えながら発揮した行動事実」が含まれていない場合、追加で深堀りした質問を受けることになります。その質問とは、「なぜ?」ではなく、「たとえば?」という問いかけです。

強みについて質問したときに、「リーダーシップです」という回答が返ってきたとします。この回答には「いつ、どこで、どのような効果的なリーダーシップ的行動をとったのか」という具体的な行動事実が含まれていません。

そういう場合はすかさず「たとえば、その強みであるリーダーシップを発揮したエピソードを聞かせてください。いつ、どこで、誰に、どのようなリーダーシップを発揮されましたか?」というような質問が追加されるでしょう。こういう質問を繰り返し聞いていくことで、対象者が経験したいろいろな場面におけるコンピテンシー発揮の事実情報を集めていくことができます。

あらかじめそういう質問に答える準備をしておくこと、もっと言えば、聞かれる前に事実をもとにした自己PRができるように準備しておくだけで、あなたへの印象はまったく違うものになるかもしれません。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

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