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ゆっくり静かに伝える

自律神経を整え、自分のコンディションを保つコミュニケーション法として「ゆっくり静かに伝える」はオススメです。これを意識するだけで、ストレス要因は圧倒的に少なくなり、自律神経が乱れる機会を減らすことができます。

ゆっくり話すとなぜいいのか。

まずは感情が入らないことです。人は感情が入れば入るほど、話すスピードが速くなります。何かイヤなことを言われたら、すぐに反応する人、猛烈な速度で反論する人がいるでしょう。

完全に自律神経を乱し、コンディションを下げている状態です。

何かを言いたくなったときほど、ひと呼吸置いて、ゆっくり静かに話し始める。

そのスイッチが入った瞬間、自律神経は整い始めます。

私はよく政治家の石破茂さんの話し方が最強だと言っています。一貫して、あの人はいつもゆっくり、静かに話しています。ゆっくり話していれば、余計なことを言うリスクも減り、過度に誰かを傷つけたり、後悔することも減ります。政治家として、じつに大事なコミュニケーション術です。

相手に何かを伝えたいときも、早口でたくさんしゃべるのは得策ではありません。私もテレビやラジオ、人前で話す機会が多々ありますが、10個のいいことを早口で話しても、結局ひとつも記憶には残りません。「いろいろ話していたなあ」と漠然とした印象が残るだけです。

それよりも、ゆっくりとひとつかふたつ、大事なことを静かに話す。

そんなコミュニケーションのほうが確実に相手の印象に残ります。

じつに簡単なことですが、ぜひやってみてください。意識すればするほど、あなたのストレスは減っていきます。

※書籍の『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)では、「身の回りの整え方」「時間の整え方」など8つの章で整え方を紹介しています。「人間関係の整え方」の章は、紹介した3つのほか、〈人の評価は口にしない〉〈「安請け合い」をやめればストレスは減る〉など、11の人間関係の整え方を紹介しています。

 小林弘幸
 順天堂大学医学部教授。1960年埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。

整える習慣 (日経ビジネス人文庫)

著者 : 小林 弘幸
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 880 円(税込み)

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