国公立大医学部合格ランキング 西日本が優位な理由
特別編(3)教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

国公立大医学部の入試難易度は京大とほぼ同等(写真はイメージ=PIXTA)
国公立大医学部の平均偏差値は65.26
この連載では、首都圏を中心とした進学校の顔ぶれを見るために東大合格者数ランキングを、関西圏を中心とした進学校の顔ぶれを見るために京大合格者数ランキングを、それぞれ見てきた。しかしそれでもやはり、東京中心、京都中心のリストになってしまう。
そこで今回は、大学通信の協力を得て、国公立大医学部の合格者によるランキングを作成した。国公立大医学部は全国にほぼ均等に50ある。これならば全国区での進学校の顔ぶれを見ることができるはずだ。
河合塾が運営するサイト「河合塾 医進塾」が発表する2021年入試のボーダー偏差値によれば、東大(前期)および京大(前期)の医学部が72.5、千葉大学(前期地域枠、後期一般枠)、東京医科歯科大学(前期)、山梨大学(後期)、岐阜大学(後期)、大阪大学(前期)、宮崎大学(後期)が70。50の大学のすべての入試の難易度を表す偏差値を単純に平均すると、65.26となる。これは、京大の医学部以外の学部の入試難易度とほぼ同等だ。
2000年前後からの景気低迷を背景に、「大学ブランド」よりも「手に職」をという価値観が強まり、「東大よりも医学部」という言葉まで聞かれるようになった。大きな災害などがあると、さらに高校生の地元志向は強まる。東大や京大に合格する学力があっても、地元の国公立大医学部を目指すことが増える。それで医学部の入試は全体的に難化した。

将来的な「医師余り」の予測もあり、20年以前の数年は、国公立大医学部志願者が微減傾向にあったが、21年には全体で前年度を上回った。新型コロナウイルス禍で地元志向が強まったことも一因と考えられる。