会社設立で自分の価値をお金に 合同会社なら安く簡単
sfidaM代表 小沢松彦氏
次はせっかく会社をつくったので、できる限り活用のチャンスを広げようと考え、いろいろな人に「会社をつくったんですよ」と話しました。個人で仕事を始めようとした時と会社をつくった後では、相手の興味の持ち方が明らかに変わりました。「どんな会社なのか」「何を提供する会社なのか」と聞かれることが増えてきました。そんな中から新たに「社員研修をしてほしい」という依頼が舞い込みました。その会社の社長に熱い思いと強いリーダーシップがあり、自社の製品で日本の安全を守るという高い志を持った会社ですが、まだ成長途上で、社員教育などはこれからという時でした。
仲間と組み提供サービス拡大
この会社の要望に応えるプログラムをつくるには、人事経験者の参加が必要だと感じたので、ちょうど退職した元同僚に声をかけ、一緒にユニットを組んで対応することにしました。この結果、私一人ではできないことを提供できました。つまり、提供サービスが広がったのです。当方も会社を設立して間もない頃ですし、相手は知り合いの会社でしたので、この研修は原価を補う程度の価格で引き受けました。

ただ、その時、その会社の社長には「もし我々の提供するプログラムが良いと感じたら、ぜひ他企業に紹介してください」とお願いしました。やがて、この会社の取引先である中堅優良企業のミッションバリュー開発(経営者との対話を通じた企業のミッションや提供価値の開発)とそれを社内外に伝える仕事を紹介されました。ここでは、マーケティングやクリエーティブの要素が必要になりそうでした。すると今度はマーケティングとクリエーティブの元同僚2人が退社して独立するという知らせが舞い込んできました。早速、この2人に声をかけ、先の人事経験者と合わせて計4人でユニットを組んで対応することにしました。
こうして、まるで「桃太郎」の昔話のように、会社設立を起点として少しずつ仲間が増え、機能と提供するサービスが広がり、得意先も増えていくという形になりました。しかし、これは最初から設計していたことではありません。最初に自分が動くきっかけとしての装置をつくってみた。自分が動くことで新たな変化が生じた。その変化がまた次の動きにつながっていったということなのです。