変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

「できるだけ異なる資質を持つ人同士がグループになるように配慮し、グループワークの最初に各人の上位5つの資質について開示してもらいました。雑談のネタとして盛り上がったのはもちろん、ワークの中でお互いにフィードバックをする際にも、相手の長所に気付くことができ、同期の結束を固めることもできたようです」

以前は特に推薦図書は設けておらず、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』を現在のような形で使うようになったのは昨年度から。新人研修のグループワークの内容を変えたのがきっかけだ。それまでは「三菱地所のDNAを学ぶ」をテーマに、新入社員が社内の過去の事例から同社のDNAを見つけていく内容だったが、より未来にフォーカスしようと方針を転換し、新規事業を発想していくワークに変えた。

研修の狙いについて武居さんは「他者の考え方を知ることで自分の引き出しも増える、というマインドセットになってほしい」と話す。

研修の狙いについて武居さんは「他者の考え方を知ることで自分の引き出しも増える、というマインドセットになってほしい」と話す。

今年の研修では、空港間のシェアリングサービスや、働く時間や場所の自由度が増している中でのキャンピングカーのレンタルサービスなどの案が出てきたという。

「バラエティーに富んだ提案が出てきて、いいチームビルディングができたと思います。グループのメンバー同士でアプローチ方法の違いに戸惑ったこともあったと思いますが、それを対立と捉えたりどちらが『正解か』を競ったりするのではなく、他者の考え方を知ることで自分の引き出しも増える、というマインドセットになってほしい」

「圧倒的にチームを重視する」社風

人事部では、内定者に対しテストを受けるだけでなく、事前に本の中身も読むよう伝えている。他のメンバーの個性を知り、お互いの強みを引き出しあうことがチーム全体を強くすることを知ってほしいからだ。どんな組織でもチームワークは大事だと言われるが、同社が新人教育でとりわけチームの力を強調するのはなぜなのか。

「私たちの中核事業である街づくりは、行政や地権者、設計会社、ゼネコン、メーカー、テナント企業、広告代理店など非常に多くの企業や団体に協力してもらって初めて成り立つ仕事です。ここまで多種多様な関係者と関わる仕事は他にあまりないかもしれません。その分、当社で仕事をする上では、多様な価値観を受け入れながら、プロジェクトを引っ張ったり押し上げたりしていく力が求められます。その第一歩として、同期の中でも個性や考え方が異なる人とチームを組み、その中で自身の強みや他者の強みを知って、それぞれがどう貢献すればチームとしての価値を生み出していけるのか、体感してもらいたいのです」

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