柔軟な組織はリモートワーク苦手? 明暗分ける違いは
20代から考える出世戦略(115)

写真はイメージ=PIXTA
リモートワークについては賛否両論がありますが、完全に対面型だけの働き方に戻ることはなさそうです。だとすれば、リモートワークをどう活用するかを考えた方がよいでしょう。特にリーダーを目指す人にとっては、リモートワークは追い風になりそうです。
リモートワークは個人活動に向いている
すでに浸透したと言えるリモートワークですが、その最大のメリットは、一人で行う作業に向いていることです。もちろんそのためのワークスペースがあり、一人に慣れることが前提ではあるのですが。
久しぶりに出社してみたら、リモートワーク時には対応する必要がなかった、外からの電話対応や、同僚、部下たちからのちょっとした声かけなど、意外に気を散らすことが多いことに気づきます。
そうしてやはりこれからの働き方は、出社してみんなが同じ場所で働くのではなく、それぞれの場所で働くことだろう、と思う場合もあるでしょう。
幸か不幸か、日本企業のマネジャー層の90%以上はプレイングマネジャーだという調査結果も散見されます。そのため、個人としてのプレーヤー活動が主であるなら、リモートワークから戻りづらくなることもありそうです。
ではマネジャーであればそうはならないでしょうか?
いえ。実際にリモートワークによってコミュニケーションがとりづらくなったとか、人事評価がしづらい、という不満を聞くことがあります。
リモートワークが阻害するのはプレイングマネジメント
リモートワークが進むことで、部下が今何をしているのかが見えない、という不満があります。例えば同じ部屋で働いていれば、表情やしぐさなどを見ていればどんな気持ちなのかが多少はわかります。少なくとも、作業をしているのか、考え事をしているのか、はたまたサボっているのかはわかります。
けれどもそれらがわからないので、疑心暗鬼になったり過干渉になったりするような場合もあります。実際、人事についてのアンケート(労政時報4018号「人事労務領域の注目テーマへの対応状況」2021年7月23日発行)によれば、43.6%の企業において「テレワーク・在宅勤務時の業務管理(監視)ツールの導入」を検討/導入予定/試行/実際に導入しているといいます(検討25.7%、導入予定3.6%、試行5.0%、実際に導入9.3%)。
また、コミュニーションがすぐにとれないことについても不満が生じます。ちょっとした質問や相談にもメールやチャットなどで予定を確認しなければいけないとなれば、コミュニケーションそのものもおっくうになります。