「越境的キャリア」の形成 人生100年時代のカギに
A.T.カーニー 滝健太郎プリンシパル
多彩な「創造と変革のリーダー」
筆者の周りにいる「創造と変革のリーダー」の中には、まさにそのような越境的キャリアをたどってきた人材がいます。例えば、ビジネスの仕事をしながら、デザインスクールに通い、その後、デザインファームで研さんを積み、今は「ビジネス×デザイン」の融合領域で働く人物。例えば、スタートアップのリードエンジニアでありながら、顧客の求める最善の会計ソフトウェアを理解するため、自らが簿記資格まで取得した人物。例えば、日中英韓の4ヶ国語を操る超グローバル人材でありながら、今は超ローカルの地方創生に取り組む人物。例えば、土木工学を専攻しながら、司法書士になった後、司法過疎地に移住し、その後、政治の世界に身を投じていった人物。
こうした越境を繰り返しながら、自らのパッション(志)を問い直し、様々なスキルを組み合わせつつ、自らのエッジ(長所)を形成していくことは、これからの「人生100年時代」の重要なテーマになるでしょう。
社会で活躍する若き「創造と変革のリーダー」たちはどのようT字型、π字型、あるいはBTC型のキャリアを形成していったのでしょうか。連載では筆者が用意した5つの問いを通じ、「創造と変革のリーダー」のキャリア観を深掘りしていきたいと思います(図表7)。

次回はゴールドマン・サックスからコンサルへ、その後、スタートアップのCFOとして上場を果たした竹本祐也氏をお招きし、日本でも稀有(けう)なスタートアップCFOキャリアをどのように築いてきたかについて、5つの問いを通じて振り返ってみます(図表8)。

滝健太郎
東京大学経済学部卒。生まれてこのかた日本は低成長で、バブル時代を知らない世代。A.T.カーニーのリーダーシップグループの一員として「日本の課題解決先進国化」に挑む。「創造と変革のリーダー輩出」のための社内の各種キャリア形成セミナーを主催。
東京大学経済学部卒。生まれてこのかた日本は低成長で、バブル時代を知らない世代。A.T.カーニーのリーダーシップグループの一員として「日本の課題解決先進国化」に挑む。「創造と変革のリーダー輩出」のための社内の各種キャリア形成セミナーを主催。