変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

そこからいろいろな活動を始めました。まず、学生による社会貢献活動を支援するSIFE(サイフ・Student in Free Enterprise)という米国のNPOに参加して、「アクシオン」というプロジェクトを立ち上げました。アリゾナは移民が多く、食品や自動車部品、日用雑貨などを売る小さな商店がたくさんあるのですが、店のオーナーの多くはビジネスの教育を受けていません。そこで僕たちビジネス学科の学生が、マーケティングや会計の知識を提供して経営支援をするプロジェクトです。管理会計のシステムをエクセルで作ってあげて、「価格も勘で決めるのではなく、こうやって限界利益率や損益分岐点から適正な水準を割り出せばいいんですよ」とか、「値引きはいつ、どのくらいの割合までだったら赤字が出ませんよ」とかいろいろアドバイスしました。オーナーたちからは経営状態が一気に改善したとすごく喜ばれ、やりがいを感じました。

カリフォルニアの広告代理店でインターンもしました。ソーシャルメディアが勃興し、マーケティングへの活用法が注目されていた頃です。「社会人よりも学生のほうが詳しいだろう」と期待され、美術館のソーシャルメディアのプロモーションリーダーを務めさせてもらいました。

帰国後も学生団体や一般社団法人を立ち上げるなど活発に活動。3時間以上寝た記憶がないという。

学生団体、部活、勉学とフル回転していた大学時代。「人生で一番がむしゃらだった」という

学生団体、部活、勉学とフル回転していた大学時代。「人生で一番がむしゃらだった」という

米国での経験をベースに他の学生や社会人の仲間と立ち上げた学生団体Applim(アプリム)では、ソーシャルメディアをマーケティングに活用するアイデアを競うコンテストや、講演会・ワークショップを企画・運営しました。また日本でも人材の流動性を高める必要があると思い、Think Act Foundationという一般社団法人を作って、ビジネスパーソンのための勉強会を開いたりしていました。登壇をお願いしたことをきっかけに、人材サービス「ビズリーチ」創業者の南壮一郎さんや、クラウド会計ソフト「フリー」を手がける佐々木大輔さんらとも知り合い、いろいろ相談させてもらうようになりました。

他に、留学時に活動していたSIFEの日本支部のプロジェクトマネジャーもやり、陸上部の練習にも欠かさず出て、授業も毎回最前列で聞く生活でしたから、3時間以上寝た記憶がありません。それでも大学は首席で卒業しました。あの頃は人生で一番がむしゃらに走り回っていましたね。

ただ、あわよくば在学中に起業という考えもあったのですが、それは実現しませんでした。

起業家の人たちと知り合って、「この人たちの近くにいれば、自然と自分のやりたいことは見つかるんじゃないか」という、今にして思えば極めて甘ったれた考えに陥ってしまい、再び「やりたいこと探しの旅」を始めてしまっていました。留学中に、行動しなきゃダメだと気づいたのに、そのことをすっかり忘れていたのです。

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