書店員おすすめ この夏読んでおきたいビジネス書10冊

リブロ汐留シオサイト店の河又美予さんのおすすめは『これからの会社員の課題図書』と『良いデジタル化 悪いデジタル化』
ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回はいつもと趣向を変えて、定点観測している書店のビジネス書担当者に、夏休みに読んでおきたいビジネス・経済書をすすめてもらった。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、オリンピックも開催されている今年の夏。例年と同じ過ごし方ができるわけではないだろう。それでも本にこれからのビジネスや仕事を考えるヒントが詰まっているのは変わらない。まとまった時間を読書に当てられるようなら、書店員が選んでくれた10冊のリストを参考にしてほしい。
田端信太郎氏による読書ガイド
今回は新刊にこだわらず、この夏読んでおくといい経済・ビジネス書をそれぞれ2冊選んでほしいと依頼した。答えてくれたのは、毎月訪れている定点観測書店3店と、2~3カ月に1度訪れる準定点観測書店2店の書店員だ。全員がそれぞれ異なる本を選択し、合わせて10冊のリストになった。
このうち、2人が選んだのが読書ガイドの本だ。リブロ汐留シオサイト店の店舗リーダー、河又美予さんは田端信太郎『これからの会社員の課題図書』(SBクリエイティブ)、八重洲ブックセンター本店の川原敏治さんは堀内勉『読書大全』(日経BP)をそれぞれ2冊のうちの1冊に挙げた。
前者の本の著者、田端氏はITビジネスの世界では名の通った仕事師だ。NTTデータ、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZOとキャリアを積み上げ、フリーマガジン「R25」の創刊、livedoorニュースの統括、LINEの法人ビジネスなどに関わった。
その田端氏が「読書で自分を鍛えている人とそうでない人の差は、すごく大きいものがあります」と語り始める。キャリアを積み上げる中で実践してきた本の読み方や選び方、使い方を語り、自身が読み、役立ててきた本について、そのエッセンスとビジネスでの生かし方を語ったのがこの本だ。「変化の激しい時代に、ビジネスパーソンに向けて道しるべになる読書の仕方をわかりやすく書いている。個性的な選本も魅力的」と河又さんは話す。
「目的によって本の読み方を変えろ」「自分にとって終わりのないテーマを持つ」といった著者の説く読書技法も参考になるし、いつどんな本を読んできたかを語る読書遍歴も具体的で、自分に当てはめて実践してみるのもいいだろう。とりわけ13冊の本の読みどころを解説した第4章「令和時代を生きるための課題図書」は、今のビジネスパーソンの読書の大いなる指針になりそうだ。