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「同じことがずっと続くわけではない」状況においては、以前の延長線上にいれば安心と考えるほうが、よほどリスクが大きい思考だと僕には思えます。

「この時期に?」という発言がつい出てしまうほど、無意識のうちにマインドが過去の経験や価値観などに固定されて、埋没コストになっているのかもしれません。

もちろん僕は、「気に入らないなら会社をやめろ」「納得いかない人間関係はすべて整理しろ」などといっているのではありません。そうではなく、「これまでの延長線上にいればなんとかなるだろう」と根拠なく考えたり、「あなただからできるんでしょ?」と他人事のようにとらえたりして思考停止するマインドにこそ、警鐘を鳴らしているのです。

「いやなこと」をやめて、「好きなこと」をしよう

「いやなこと」をやめて、「好きなこと」をしよう

そんな方には、世の中にある多様な価値観を参考にしつつ、自分の頭で考えて、人生をデザインし、自分なりの幸せを追い求めて行動する、そんな強くしなやかな力を、ぜひつけていただきたいと考えています。そのための選択肢こそが、「やめる」ということです。

「やめる」という選択は、いまあなたがどんな状態であっても、その地点から、自分の足で自分の道を歩いていくために、必ず生かせるものだと考えてみてください。

ちがう言い方をすれば、実際になにか(会社、人間関係……)をかたちとしてやめなくても、自分のマインドのなかで「やめる」ことだって、僕はできると思っています。

まずはいまここにいる場所で、自分のなかにある常識やルール、固執や先入観、過去の成功体験……などを一度忘れることから、新しい人生をはじめていきませんか?

最初の一歩がなかなか踏み出せないという人でも、身のまわりをチェックしてみれば、やめてもいいと思えるものがあるはずです。

僕はかつて出した著書のなかで、「常識に縛られたら思考は停止する」と書きました。パンデミックによって仕事や生活の前提条件が変わった世界で、僕たちはこれまで以上に「あたりまえ」を疑い、自分の新しい価値を築いていく必要があります。

ものごとの本質をつかむことは、「デザイン」する能力ともいえ、視野を広げると、働き方にとどまらず「自分の人生をどう豊かにデザインするか」という視点につながります。これからは、この「自分で人生をデザインしていく力」がとても重要になると見ています。

「あたりまえ」を疑う力が大切なのは、今後も変わりません。でも、疑うための前提自体がリセットされた以上、これからは一人ひとりが自分の人生を新しくデザインし、創造していく力が必要です。

僕たちはもはや、あたりまえを「疑わざるを得ない」時代に生きているのです。

いまこそ、自分に「バカ正直」に生きるときです。

自分だけの一次情報を手に、自分で思考して、行動し、自分が思う道を進んでいく。この最高のタイミングに、勇気を出して最高の一歩を踏み出しましょう。

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ここでは、本書のうちの一部分だけを紹介した。具体的に「やめる方法」を知りたい方、あるいは「やめる」ことで見えてくる新たな可能性に興味が沸いた方は、ぜひ本書をご一読いただきたい。

(日経BP 宮本沙織)

「やめる」という選択

著者 : 澤 円
出版 : 日経BP
価格 : 1,650 円(税込み)

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