「聞くこと」で才能高め合う LISTENが持つ不思議な力
『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』より

『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』 ケイト・マーフィ著 篠田真貴子監訳 松丸さとみ訳
ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニー、行動経済学の祖であるダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキー、DNAの構造を共同で発見したジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックなど、天才同士は、お互いを「聞くこと」で、その才能を高めました。発売直後にベストセラーになった『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)から、天才同士の聞くことに関する項目を一部抜粋、編集して紹介します。
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「自分の話をしっかり聞いてもらえた」体験を思い出してみてください。
それはいつでしたか? 意外に少ないのではないかと思います。
他人の話は、「面倒で退屈なもの」です。どうでもいい話をする人や、たくさんしゃべる人など、考えただけでも対応が面倒です。その点、スマホで見られるSNS(交流サイト)や情報は、どれだけ時間をかけるか自分で決められるし、面白くないものや嫌なものは、無視や削除ができます。しかし、それがどれほど大事でしょうか。
話を聞くということは、自分では考えつかない新しい知識を連れてきます。話をじっくり聞ける人間はもちろん信頼され、友情や愛情など、特別な関係を育みます。「自分の話をしっかり聞いてくれた」ら、自分の中でも思いもよらなかった考えが出てくるかもしれません。どんな会話も、我慢という技術は必要です。しかし、それを知っておくだけで、人生は驚くほど実り豊かになります。
聞くことで他人の才能も共有できる
優れた聞き手は、聞くために他の感覚も動員します。脳みそをフル稼働させて入ってくる情報すべてを処理し、そこから意味をひき出します。
ここでつかんだ「意味」が、創造性、共感、洞察、知識へとつながる扉を開きます。
聞くことのゴールは理解です。聞くことはただ受け身なだけではできません。努力が必要です。