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希望の業種・職種と自分のキャリアに隔たりも

――チャレンジしてみたい業種・職種と、現在の自分のキャリアに隔たりがある場合も多いです。

そもそも「どんな隔たりが、どれだけあるのか」を具体的に認識できていない人が多いと思います。まず大事なのは、行きたい会社や職種のジョブディスクリプション(職務記述書)にしっかりと目を通してみることです。

目指したいポジションで働く人は、具体的にどんな業務に取り組んでいるのか。必要とされるスキルは何なのか。目標の解像度を上げ、それに対し、今の自分には何が足りないのかを認識することが第一歩になります。そこを確認せずに「年収を上げられるいいチャンスはないだろうか」と言っていても、入試で研究や対策を何一つせずに志望校合格を望むようなものです。

その意味で重みを増しているのがネットワーキング(人とのつながり)です。特に、もともと中途採用比率が高くない日系企業の場合、ジョブディスクリプションを吟味したくても、公開されている情報量が乏しいケースも少なくありません。その場合、知人のつながりをたどり、その企業あるいは同業界の別の企業などで働いている社員を紹介してもらい、直接話を聞いてみるのがお薦めです。

「なぜ自分は転職したいのか」という軸を明確にしておくことも大切だ

「なぜ自分は転職したいのか」という軸を明確にしておくことも大切だ

紹介してもらうのが難しい場合でも、SNSで仕事の情報を発信している当該企業の社員がいれば、自己紹介と事情説明をしっかりする前提で、オンラインで声をかけるところから始めるのもいいと思います。

話を聞く際には「なぜ自分は転職したいのか」という軸を明確にしておくことも大切です。「現職の給与が不満」ならば、昇給の仕組みや実態について聞きましょう。「未経験職種に挑戦したい」ということなら、そもそも未経験人材の受け入れ余地があるのかどうかや、部署メンバーの経歴について聞いた方がいいでしょう。こういうことは採用選考段階で出会う人事担当者の情報だけに頼らないことも重要です。実際に現場で活躍している「中の人」にも事前に情報収集しましょう。

利害関係のない人と仕事の話をする中で「あなたのこういう経験はもっと前向きにアピールしていいのでは?」といったフィードバックをもらえることもあります。キャリアの棚卸しにつながるのです。

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