変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

――ユートラストのユーザーをはじめとして、転職と副業を組み合わせてスキルや経験の幅を広げていく人も増えていると感じます。

「今、自分ができること」を確認した上で「次の自分はどうありたいか」を見極める。その差を埋めるための手段として「どんなスキルや経験を獲得すべきか」が副業や学び直しへの投資をする上でまず意識すべき視点です。

例えば、ユートラストのユーザーでは、過去に本業で使っていた中国語のスキルを鈍らせないため、語学力を活用する副業に取り組んでいる人がいます。また、本業は営業職でありながら、顧客とのコミュニケーションスキルを生かし、未経験の広報職に副業で挑戦し、月10万円ほど稼いでいる人もいます。「すでに自分ができること」をより伸ばしていくケースもあれば、それを土台に新たな分野へ挑戦していくケースもあるわけです。

「自分ができること」を確認した上で「次の自分はどうありたいか」を見極める

「自分ができること」を確認した上で「次の自分はどうありたいか」を見極める

いずれにせよ求められるのは「何のためにその副業をするのか」というビジョンです。そこが不明確な状態で貴重な時間を投資しても、モチベーション(やる気)を維持できないし、副業先との信頼構築も結局うまくいきません。

また、なにも副業や転職だけがキャリアアップの機会ではありません。本業で期待以上の成果を出すことで、昇給や昇格の機会に恵まれることも当然あります。大事なのは自らの手でキャリアを築いていくために、より良い機会を求め、その機会を得るために自己研さんを続けることです。良い機会を本業、転職、副業のどのチャネルから見つけるかは、そのときの状況や目的に合わせて柔軟に変えていいと思っています。

もし、職場で置かれている状況などから、自分自身を客観視する作業が難しい心境にある人は有料のキャリアコーチングサービスなどを利用し、プロに自己分析を手伝ってもらうのも手だと思います。

岩崎由夏(いわさき・ゆか)
大阪大学理学部卒業後、2012年に新卒でディー・エヌ・エー(DeNA)入社。新卒・中途の採用業務に携わる。16年に子会社のペロリに出向し、経営企画を担当。17年12月にYOUTRUSTを設立し、代表に就任。18年4月にスタートしたキャリアSNS、ユートラストのユーザー数は21年4月時点で累計5万人を超えた。

(ライター 加藤藍子)

(上)会社に尽くして年収アップは崩壊 スキルアップが必須

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック