変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

スタートアップ企業を取り巻く環境が魅力的に

・スタートアップ企業にチャンスが訪れている

近年、スタートアップ企業への資金流入が拡大しています。調達した資金を活用することによって、スタートアップ企業は事業を成長させられる可能性が高まっています。実際、新たなテクノロジーやビジネスモデルの導入によって、業界地図を塗り替えたスタートアップ企業は少なくありません。

また、潤沢な資金を得れば、人材に投資しやすくなるので、メンバーの募集も積極的に行っています。こうしたスタートアップ界隈(かいわい)の活況ぶりを知った方々は「チャンスがあるのに、みすみす逃していいものか」と、転職活動に踏み出しているのです。

・スタートアップの「倒産リスク」が低くなっている

「スタートアップ企業は倒産するリスクが高い」――。これが、大手企業の「安定」を捨ててスタートアップに飛び込む決断ができない理由の一つでした。

しかし、昨今のスタートアップ企業は以前と比べて倒産リスクが低くなっています。

インターネットやデジタル技術などを活用することで、設備投資は少なくて済み、在庫を持たずにビジネス展開が可能。だから、資金繰りが悪化しても、即倒産にはつながりにくいのです。

実際、最初はうまくいかなくても、ビジネスモデルやマネタイズモデルをピボットさせ、2~3度の転換を経て成功している企業は少なくありません。

スタートアップ企業が大手企業出身者に抱く期待と不安

では、スタートアップ企業側は大手企業出身者を受け入れることに対し、どのように考えているのでしょうか。まずは期待しているポイントをみていきましょう。

顧客ターゲットを「大手企業」とするスタートアップ、あるいは大手企業と提携して事業を行うスタートアップなどは、自社内に「大手企業の論理」を知っているメンバーを抱えておきたいと考えます。

つまり、大手企業の組織内でどのようにキーパーソンを見極めるのか、大手企業にプレゼンテーションや交渉を持ちかける際、どの「スイッチ」を押せば、決裁につながりやすいのか、といったことを理解している人を求めているのです。つまり、その組織に身を置いていた大手企業出身者です。

また、大手企業だからこそ築けた人脈・ネットワークやビジネスアライアンスの上でのパイプ、また大手企業と組んでのオープンイノベーションのきっかけづくりといった点でも、期待を寄せられます。

若手の場合は、「ビジネスパーソンとしての基本の教育を受けている」という点で、自社では研修・教育する余裕がないスタートアップにとっては安心感があります。

一方、不安を抱くのは、やはり「環境変化への適応力」です。大手とスタートアップでは、当然ながらスピード感も異なりますし、自分の担当領域だけこなしていればいいわけではなく、幅広い業務を臨機応変に担っていく必要があります。野球のピッチャーでいえば、先発だけでなく中継ぎや抑え、時にはバッターとしても期待されます。

それに、スタートアップは常に「明日、何が起こるかわからない状況」にさらされています。自分たちが取り組んでいる領域へ大手企業が進出してきて、資金力を武器に市場を独占してしまうかもしれません。最新テクノロジーを活用したサービスを開発している途中で、さらに新しいテクノロジーが生まれ、自社が持つ価値が失われることもあり得ます。そのような不可抗力による試練に直面したとしても、すばやく発想を切り替え、前へ進んでいけるポジティブさが必要です。

そして何より、「大手企業の看板をはずすことへの覚悟」と「大手の看板を失っても勝負できる経験・スキル」が選考で見られています。

このように、急激な変化への対応力が重視されるので、35歳以上で大手企業1社しか経験がない方は、不安を抱かれがちです。

とはいえ、そうした人でも「スタートアップ企業で副業していた」「友人のスタートアップ企業を手伝っていた」「大手企業内で、子会社の立ち上げなどを経験した」「海外赴任先でゼロから取引先を開拓した」「M&A先のスタートアップ企業と関わっていた」などの経験があれば、不安は払しょくされます。

大手1社での経験が長く、スタートアップへの転職を目指す場合は、上記のような経験を積極的に積んでおくことで、スタートアップへの門戸が広がる可能性があります。

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