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勇気ある200人のために挑戦

今はスタートアップも苦しいです。私も「サステナブル? 株主への還元はどうするの。理想論はもっと稼いでから言ってくれよ」と毎日のようにあちこちで言われます。しかし25年以降、ヘッジファンドのファンドマネージャーの過半数がミレニアル世代になってくれば状況は一変し、「この会社を救うのか、地球を救うのか」という基準で投資先を選別するようになるでしょう。

投資だけではありません。就職先選びも変わってくるはずです。冒頭で話したように、これまでの資本主義では勝者だったけれども、SDGsの推進では壁にぶつかって苦しんでいる大手企業には、優秀な学生が来なくなるでしょう。

すでに、給料がものすごく高い外資系金融機関や総合商社を辞め、ユーグレナに転職してくる人たちも出てきています。「そんなに稼いだって、お金の使い道がない。それよりサステナブルな社会づくりに貢献したい」と彼らは言います。今は大手企業を蹴ってユーグレナに行くと言えば、親から「何てバカなことを」と嘆かれるでしょうが、その勇気ある決断をしてくれた200人のためにも、私は挑戦をやめるわけにはいきません。

世の中の変化は、常に我々が思っているより早く起こります。25年がターニングポイントになる。私は本気でそれを信じています。

出雲充
1980年広島県生まれ。2002年東大農学部卒、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。05年ユーグレナを創業。同年、世界初となる微細藻類「ミドリムシ(学名・ユーグレナ)」の食用屋外大量栽培に成功。世界経済フォーラム(ダボス会議)のヤンググローバルリーダー。第1回日本ベンチャー大賞「内閣総理大臣賞」受賞。経団連審議員会副議長。

(ライター 石臥薫子)

(1)イノベーションに実績などない 出資求め501社回る

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