企画とは決めること ヒットメーカーが語る仕事の本質
リブロ汐留シオサイト店
その上で、仕事として企画をする場合の考え方をいろいろな切り口から提示していく。マネタイズとの関係、企画の材料となるインプットの仕方、人起点で結び付けるという発想法、伝わる企画と伝わりやすい企画とは、企画における言葉の役割……。そうした企画の初動段階から始まって、企画を世に出し、実現していく段階の話、企画を受け取る側の話まで、企画を広いスパンでとらえながら考えを深めていく。
行き着く先は「企画力という単独のスキルは存在しない」「企画とはシステム」だということだ。最後の章で、著者は「企画力」は「インプット力」「結び付け力」「多産力」「巻き込み力」「やりきり力」の5つに分解できると整理し、これをたたき台に思考の解像度を高めることが「企画力」を高めることにつながると説く。
「入荷した今月初めにぱっと売れて、すぐ追加注文を出した」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。電通や日本テレビの本社がある汐留地区は企画に関心を持つビジネスパーソンが多い。そうした読者層にしっかりと刺さった様子だ。
『ソニー再生』が1位に
それでは、ランキングを見ていこう。盆休みに入る前、8月第1週のランキングを取り上げる。
同数の1位に2冊。一つは若手リーダー向けのリーダーシップ論。もう1冊は7月の終わりに本欄の記事「ソニー再生の物語 平井前社長が語るリーダーの基本」で紹介したソニー本だ。
同数の2位に2冊。1冊が今回紹介した『企画』で、もう1冊はスタンフォード行動デザイン研究所所長が語る行動を変えるメソッドについての本だ。同数の5位に6冊が並ぶ。二刀流投資を指南する『日本一カンタンな日米10倍株をつかむ本』だけが新刊で、20年後半から今年前半に刊行された息の長い売れ筋が多くを占めた。
(水柿武志)