失敗呼び込む「視野狭窄」 脱却に有効なゲームとは?
20代から考える出世戦略(117)

写真はイメージ=PIXTA
一時的に成功したけれどすぐに失敗してしまう人がいます。一方で、失敗ばかりしていたのに、突然成功する人がいます。成功から失敗に転ずるきっかけ、失敗から成功に転ずるきっかけについて、経営大学院で教えている基準を確認してみましょう。
なぜ成功し続ける人は少ないのか
私は人事コンサルタントという仕事を30年ほど続け、最近では経営大学院で登壇もしています。そうした人に関わる仕事をしている中で、一人一人の成功の軌跡を数十年にわたって見続けてきました。
そこで気づいたのは、ずっと成功し続けている人がほとんど存在しないということでした。
楽をして成功したい人は大勢います。あるいは、努力した分だけしっかり成功したいという人も多いでしょう。けれども、運よく成功した人も、努力して成功した人も、なかなか成功し続けてはいませんでした。
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若いころに、成功している同僚を見て多くの人は「彼はずっと成功し続けるんだろうな」という想像してしまいがちです。
前向きな人はここで、自分もしっかり頑張らないといけない、と気持ちを新たにするでしょう。一方で後ろ向きな人は、成長し続ける人の失敗や失脚を望んだりします。そして現実はむしろ後者の望みに近くなります。
禍福はあざなえる縄の如し
私自身にも、最初に入った会社で、優秀な同僚が大勢いました。
中でもトップを走っていた数人の活躍はいつも輝いて見えていました。残業しない方が仕事ができる、という印象が強い職場でもあったので、定時で「お先に!」と帰っていく姿を見て、かっこいいなぁ、と思ったものです。
ちょうど私の評価は真ん中よりも下ぐらい。だから彼らと同じように成功するために努力しなければいけない、と思ったものです。ビジネス書や論文を読んだり、新しいつながりを求めて勉強会をしたり。
ただ、コツコツと努力してもなかなか成果には結び付きませんでした。
そうして10年ほどが過ぎてみると、当時トップを走っていた同僚たちが目立たなくなっていることに気づきました。