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仕事の重要度に差をつけない

仕事をする際、緊急度や重要度に差をつけろ。

そんなことを教えているビジネス書も多いと思います。たしかに、やるべき仕事に順番をつける必要はあるかもしれません。「まずこれをやって、次にこれをやる」という段取りを考えるのは大切です。

ただし、仕事の重要度に差をつけるのは、根本的に違うと私は考えています。

外科医にたとえるならば、ガンの手術は重要で、虫垂炎の手術は軽んじていい仕事と区分けするようなものです。

そんなことは絶対にありません。

たとえば、私にはさまざまな種類の仕事があります。患者さんに向き合って治療をする仕事もあれば、研究や論文の作成、学会関連の仕事をすることもあれば、先輩の資料の整理をしたり、お茶くみをすることだって過去にはありました。

そんな経験の中で私が強く感じたのは「軽んじていい仕事なんてひとつもない」ということ。人にお茶をいれるのだって「どんなお茶が好みだろう」「おいしいお茶をいれる方法は?」「出すタイミングは、いつがベストだろう」と考えながらやっていれば、当然真剣になるし、学ぶことも多い。

「お茶くみなんて自分の仕事じゃない」「こんな仕事は無駄だ」「適当にやればいい」と思っている人は、結局、どんな仕事をやっても本当の意味での一流にはなれないと思います。

日々仕事をしていれば、「これは価値ある仕事だ」と感じられるものもあれば、そうでないものもあるでしょう。それは誰にとっても同じです。

しかし、そんな一見すると「重要でない仕事」に向き合ったときこそ、その人の価値がわかるというものです。

※書籍の『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)では、「身の回りの整え方」「時間の整え方」など8つの章で整え方を紹介しています。「行動パターンの整え方」の章は、ほかにも〈翌日のシミュレーションがロケットスタートを生む><自分に合う「リフレッシュ法」を見つける>など、14の行動パターンの整え方を紹介しています。

 小林弘幸
 順天堂大学医学部教授。1960年埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。

整える習慣 (日経ビジネス人文庫)

著者 : 小林 弘幸
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 880 円(税込み)

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