変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

ちなみに弊社セレクションアンドバリエーションが人事制度を設計した会社では、自己評価というプロセスを踏むことはお勧めしていません。上記のようなアンカリングが起きやすくなるだけでなく、まっとうな上司が部下に嫌われやすくなる傾向が強まるからです。

実は自己評価をする際に、アンカリングを意識しなくとも多くの人は客観的に公正なレベルよりも高い評価を付けがちです。その割合は80%にも上るとも言います。

そうなると、自己評価に対して、公正な上司による客観的な評価は自然と低くなります。そしてすり合わせ面談では、評価を下げる方向で議論が進みます。

結果として「うちの上司は私をわかってくれていない」ということになりがちです。

環境変化を踏まえた実績を確認する

個人的には、評価されるタイミングであわてて取り繕うより、堂々と高い評価を得られるように準備することをお勧めします。

そのためには、まず実績をシビアに認識しなくてはなりません。計画していたことに対してどこまでできたのか、ということを確認する作業から始めるとよいでしょう。

そして次に考えていただきたいのは「予想していなかった出来事」と「そのためにやったこと/やるべきだったこと」を洗い出すことです。

多くの会社で導入されているMBO(目標管理制度)では、期初に立てた目標の達成度を半期や期末時点で評価します。例えば5000万円の売り上げ目標に対して、半期時点の達成状況はどうだったか、期末時点で目標を超えられたかどうか、ということを評価するわけです。

しかし最近の環境変化速度は、期初に立てた目標の適正さを揺るがしてしまうこともあります。そのことについて、上司側もわかっているはずです。

けれども目標の適正さが揺らいだとしても人事制度は人事制度だから仕方がない、として目標に対する達成度だけを確認しようとします。

一方で、現場で活躍するあなたは、環境変化に対してしっかり対応しながら業務を進めてきたはずです。少なくとも、人事の目標に設定していないからその仕事はしない、ということにはなっていないでしょう。

だから、それらの実際に変化に対応したことを洗い出し、そのことについてアピールするのです。

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