変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

以前はこれでも緊張していたんです。だけど、芸人として活動するようになってから、人前で話すのにも慣れてきた。数百万人が見ている生放送の番組に出演するのと、数百人の前でプレゼンするのは同じです。

日本語を間違っちゃいけないと思ったこと?

それはないね。なんで間違っちゃいけないの?

完璧な人間なんていないんだから、伝わるまで話し続ければいい。「なんだっけ」「どう話すんだっけ」って考えていると、バカに見える。頭に浮かんだ言葉から次々と話していった方が、賢く見えるよ。

僕の野望は日本を変えること

テラスカイのことは、入社前から知っていました。クラウドコンピューティングの業界でいうと、日本で一番強いベンダーかなと思った。IT関連のイベントで佐藤(秀哉)社長と会い、親しく話すようになって「これからアメリカで展開するなら一緒にやれそうですね」という話になりました。

そうして入社したのが、12年4月です。

日本で仕事をしていて難しいなと感じるのはスピード感ですね。とにかく遅い! 最初から完璧なものを出そうとして、何年も、何年も悩んでいる。そんなに悩んでどうするの、っていうくらい。

製造業だったらそれでもいいかもしれないけど、ソフトウエアだったら、とりあえず市場に出す。そして、反応を見ながら修正していく、の繰り返しだから。完璧になるまで製品化しなかったら、ぜんぜん進んでないじゃん、と思われる。

投資もそう。100%のリターンが見込めないとゴーサインを出さないなんてやっていたら、世界からどんどん遅れちゃう。いいもの作った、じゃあ、さっさと市場に出して、試して、反応見て、機能増やして、お客さん集めて、としないと。

これ、お笑いと同じですよ。試して、反応見て、どう直すのか。すべては実験です。ビジネスも、人生も。

利益を考えるのは後でいい。日本は逆で、最初から利益を出さないとダメだと思っちゃうから、勝てなくなる。

だから、言いたい。Why、ジャパニーズビジネス!!

嫌われたって、僕は言い続けるよ。日本が変わる日まで。だって、それが今の僕の野望だから。

「人生とは何か」で悩んだ時、出てきた答えが「人に影響を与えること」だった。有名になりたかったわけじゃないけれど、せっかく僕に注目が集まったから、この注目で何ができるのか、を考えた。

僕がこうやって話すことで日本に刺激を与えられたらいいし、それで歴史の流れを変えられたらいいじゃないですか。

名前なんか、残らなくてもいいよ。だって、数万年先はみんな死んでいるからね。

ジェイソン・D・ダニエルソン氏
1986年、米ミシガン州生まれ。飛び級でミシガン州立大学へ入学し、コンピューターサイエンスを学ぶ。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士課程修了。米国企業の日本法人支社長等を経て、2012年、テラスカイ入社。14年から「厚切りジェイソン」の名でお笑いタレントとしても活躍。著書に「日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy」(ぴあ書籍)がある。

(ライター 曲沼美恵)

<< 厚切りジェイソン(上) Why Japanese business!? どうして僕がニッポンに

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック