活躍している女性管理職、3つの共通点
キャリアカウンセラー 藤井佐和子
■これからの女性リーダーの特徴
最近私がお会いした女性リーダーを例に、成功する女性リーダーの要素を考えてみましょう。
(1)社内コミュニケーションが得意
女性は、縦社会の住人ではありません。縦横自由な社会で生きています。そのため、目的に合わせて、様々な人とフラットに関わることができます。男性の場合は「恐れ多くて…」と感じてしまう経営者や役員に対しても、率直に話をできる方が多いのです。
縦社会特有の上を立てる、上の意見を尊重する、ということの前に、会社のことを考え、自分の意見をシンプルにまっすぐに伝えます。会社の成長と社会のために、を純粋に考えた、出世したいから、などのヨコシマな考えがない発言のため、よい意見だったり、面白いね、その発想、ということであれば、トップは耳を傾けてくれます。
(2)誰に対してもフラットで、公正
自分より上の立場の人、他部署の人、部下、誰に対してもフラットで、態度を変えません。また、判断するときは、お客様のため、社会貢献になることか、など、公平性が軸となるので、誰にとっても受け止めやすい内容となります。派閥に加わらず、誰とでも縦横無尽にやりとりをします。また、部下に対して、誰かだけに肩入れすることはしません。それぞれのいいところをみつけ、それを伸ばそうとします。また、自分に取り入ろうと、こびを売る人を見分けることも、周囲から信頼される理由にもなります。
(3)感情マネジメントが得意
「女性は感情的」と社会では言われ、男性以上に、その点がネックになることも多くありますが、リーダーとして成功している人は意識的に気を付けているようです。ある女性リーダーに理由を聞くと、「周囲が自分の気持ちに振り回されると、仕事が進まないから」という答えが返ってきました。
確かに「今、上司は機嫌がいいかな、悪いかな、やっぱり後にしておこう」なんて気遣いがあると、大事なことも上がってきづらいですし、部下も仕事に集中できません。その人は、なるべく笑顔で目を見て会話することを心がけている、とも言っていました。
また女性はワークライフバランスも大事です。ライフイベントでの気持ちがそのまま、仕事に持ち込まれてしまったり、逆もしかり、なんてこともありますから、意識的にオンとオフを切り替えることも大事です。「プライベートでも、つい仕事のことが頭をよぎりますが、家族といる時は、意識して考えないようにしています」。そう言っていた人もいました。
出世には興味はないんです。そうおっしゃる女性リーダーが多いのを感じますが、彼女たちのやりがいは、自己成長と自分が関わった会社や人が円滑な関係を築き、成長することなのかもしれません。そのために、自分を犠牲にするのではなく、これをやったら自分の成長につながることを意識しつつ、価値観や性格の違う部下たちをどうしたら成長させることができて、成果につながるのか、を考えることにコミットしているのです。普通の女子がリーダーになれる。そんな時代なのかもしれません。

キャリアカウンセラー。キャリエーラ代表取締役。大手光学機器メーカー海外営業部勤務後、人材関連会社のコンサルタントとして、女性の転職をサポート。キャリアコンサルタントとして、女性のキャリアカウンセリング、企業のダイバーシティー、大学生のキャリアデザインをテーマとした研修や講演を行う。カウンセリング実績は1万3000人以上。 近著に「女性社員に支持されるできる上司の働き方」(WAVE出版)