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管理したい衝動を抑える

――ムーブメントを強めすぎると、従業員の会社への帰属意識が弱まりませんか。

「何から何までコントロールしづらいという部分はありますね。みんなの熱意があることが土台にあるので。でも、それでいいんです。熱意があればイノベーション(技術革新)も生まれるし、楽しく仕事ができる。結果として生産性の高い仕事になります。すべてコントロールしたいというマネジメントは不適切な考え方だと思います」

――起業時は事業をどう立ち上げましたか。

「会計ソフトの開発にあたり、まず中小・零細企業に聞き取りをしました。でも返ってきた答えは『自動で帳簿がつけられるのは気持ち悪い』『銀行に勝手にデータをとられるのは嫌だ』というものでした。利用者テストのフィードバックは全然期待していたものではなかったです」

――社長として弱気の虫をどう抑え込みましたか。

「人の話を聞くのをやめて最後までやりきろうと決めました。聞けば聞くほど迷いが生まれ、やめたいとの思いが出てくる。聞かない分にはソフト開発は非常に楽しく、どんどんできあがっていく。実際にサービスを始めたら、初めに聞き取りをした人たちとは違う層の人たちが『ぜひ使いたい』という反応がありました。例えば、副業でブログを書いていたり、フリーランスの人だったり。ネットで生計を立てている人たちがサービスを拡散してくれました」

――起業家として社会を変えたいという強い信念から、貫き通せたのでしょうか。

「そうですね。なぜ会計ソフトがうまくいかないのかを自分で確かめたい気持ちが強かったのです。世界ではネット広告が小さなビジネスをどんどん広げられるツールになっていたのに日本では飛びつく人が少なかった。空白の市場があるわけです。目の前に価値があるものが横たわっているのですから最後までやってみたかった」

社員数650人の企業に成長した(5周年パーティーの様子)

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